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熱海・渚町の「マルノワ」が移転へ 銀座町の老舗喫茶店「加奈」跡に

マルノワが移転する元喫茶店「加奈」店内

マルノワが移転する元喫茶店「加奈」店内

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 「フレンチおばんざい marunowa(マルノワ)」(熱海市渚町)が来年1月、熱海市銀座町に移転オープンする。

カレンダーは「加奈」が閉店した2016年8月で止まっている(関連画像5枚)

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 2021年3月、熱海出身で店主の田中雄基さんがオープンした同店。本場フランスや都内のレストランでフランス料理を学び、2013(平成25)年に独立して三軒茶屋にフレンチビストロを出店した。コロナ禍で、生まれ育った熱海に戻り、フランス料理をベースにした「おばんざい居酒屋」として営業。地元住民や旅行者が集まる人気店となっている。

 渚エリアの再開発計画に伴い12月上旬にも現店舗を立ち退く。移転に当たっては、いくつかの候補物件があったという。田中さんは「町内の縁で元喫茶店の物件に移転することが決まった」と明かす。移転先は、2016(平成28)年に閉店した老舗喫茶店「加奈」跡。糸川沿いに店を構えた「加奈」は、1973(昭和48)年に創業し、長く地元住民に愛されてきた。店主が急逝して店を閉めてから、8年ほど手つかずの状態だったという。

 田中さんは「子どものころ、近所に住んでいて、母親が地元の集まりでよく利用していた。向かいの花屋でバイトをしていた19歳の時も、当時の店主が店で働く光景を見ていた。個人的にも思い入れのある場所」と振り返る。

 店内は、調理場を囲んだコの字型のカウンター席、じゅうたん敷きのテーブル席のほか、喫茶店営業当時のままの天井や壁が特徴。「できる限り現在の内装を残し、来店した人が当時を思い出してもらえる空間にしたい」と田中さん。料理も、現在の「マルノワ」のメニューに加え、「加奈」で提供していたメニューや店の雰囲気に合わせた洋食など、新しい名物になるようなものを現在開発中という。

 渚町での営業が残り1カ月ほどになり、田中さんは「渚町のにぎわいに少しでも貢献できたのでは。店や料理に自分たちなりの新しい表現も加えながら、移転先の浜町エリアの活性化にもつながる店にしたい」と話す。

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