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熱海で「スタートアップ ウイークエンド」 地域舞台に19人が起業体験

熱海で企業経営を行うコーチからアドバイスを受ける参加者

熱海で企業経営を行うコーチからアドバイスを受ける参加者

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 「第3回Startup Weekend(スタートアップ ウイークエンド) 熱海」が11月28日~30日、「naedocoはなれ」(熱海市銀座町)で開かれた。

参加者にアドバイスを行ったコーチ陣

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 世界各地で行われている起業体験イベントで、参加者は週末の54時間でアイデアの発案からチームビルディング、ビジネスモデルの検討、プロトタイプ制作、最終ピッチまでを行う。

 今回は県内外から19人が参加し、4チームに分かれてフィールドワークやディスカッションを重ねた。熱海と縁のある経営者もコーチや審査員として参加した。地域の現状や観光の視点を持つアドバイザーが加わることで、参加者はビジネスとしての成立性だけでなく、熱海を舞台とした社会実装の可能性を踏まえた検討を進めた。

 コーチらからは「事業プランについて、誰のどのようなニーズを満たそうとしているのかが明確でなく、対象が存在するのかどうか判断しづらい。アイデアが寄せ集めになってしまっており、核となる『誰のためのビジネスなのか』が定まっていないように感じる」「ビジネスは、誰かに本当に必要とされるものであれば、結果として社会課題の解決にもつながっていく。最初から『社会のためになるか』を意識しすぎる必要はなく、まずは具体的な誰かに価値を届けられるかどうかを起点に考えることが重要」などのアドバイスが飛んだ。

 参加者は3日間、ビジネスモデルの磨き込みや検証を行い、最終日のピッチでは仮想現実を使ったスタンプラリー、地域住民の課題解決型サービスなど、熱海を題材とした複数の事業案が発表された。会場では審査員から実装時の課題や改善点が提示され、今後のブラッシュアップに向けたフィードバックが共有された。

 リードオーガナイザーを務めた大竹啓介さんは「ゲストハウスを貸し切りにすることで深夜まで議論が続き、アイデアの質向上や最終ピッチのレベルアップだけでなく、参加者同士に深い関係性が生まれたことも大きな成果。生成AIを使いこなす若い参加者の技術力が高まる一方、最終的な評価を分けたのは『人に聞く』『歩いて感じる』といった手触り感であり、ここに地元の視点や経験豊富な社会人が加わることで、さらに進化すると実感した」と話す。「一方で、依然として熱海在住の参加者が少なく、地域に根差すコミュニティーづくりは今後の重要な課題。次回に向けては、地元の有力者や企業とのつながり強化が必須だと感じた。地元コミュニティーとのコラボ企画などを実施し、継続的に地域に根付く仕組みをつくっていきたい」とも。

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