熱海市で1月下旬から2月上旬にかけて、環境配慮型の低速電動車両「グリーンスローモビリティ」を活用した観光型移動サービスの実証実験が行われた。
旅行会社「エイチ・アイ・エス」(東京都港区)が一般財団法人熱海観光局(熱海DMO)と連携し、観光庁の「地域観光魅力向上事業」の一環として行った。
同社は2024年8月に熱海市とインバウンド観光推進に関する協定を締結。豊かな文化資源や自然景観が点在する熱海の魅力を、移動そのものを観光体験として楽しんでもらうことを狙いとして企画した。「グリーンスローモビリティ」は時速20キロ未満の環境配慮型電動車両で、ゆったりとした速度で街並みや自然の景色を楽しみながら移動できるのが特徴という。今回の実証実験は冬から早春の観光需要活性化と市内の回遊性向上に資するものとして位置付ける。
実証実験は複数のコースで構成し、インバウンド(訪日客)向けと一般来訪者向けのプログラムを設定。インバウンド向けでは1月26日と30日に「心を癒す熱海アート&スピリチュアルプラン」を、1月29日と30日には「春の熱海 花と文化満喫ノスタルジックプラン」を運行し、熱海駅を起点にMOA美術館、来宮神社、熱海梅園、起雲閣など市内有数の観光スポットを巡るルートを組んだ。移動だけでなくガイド付きで文化的・歴史的資源の魅力にも触れる構成とした。
一般来訪者向けには、2月3日から5日まで「桜も梅も一緒に!欲張り花見体験」と銘打った片道約15分のショートルートを用意。予約不要・無料で「グリーンスローモビリティ」に乗りながら熱海梅園や周辺の景観を楽しむ機会を提供した。
今後、本実証で得られた成果を踏まえ、通年型の「グリーンスローモビリティ」観光商品化を検討する予定という。同社法人営業部の折居一道さんは「乗車したお客さまからは、景色を眺めながら臨場感を楽しめたという喜びの声が多かった。移動手段としてだけではなく、ゆっくりと楽しむ観光にマッチしている。坂の多い熱海において、幅広い年代の人に活用してもらえる仕組みになれば」と話す。