熱海市有形文化財の「起雲閣」(熱海市昭和町)が2月19日、大正ロマンをイメージしたオリジナルグッズの販売を始めた。
熱海にゆかりのある人物を「泰山タイル」でデザインした「熱海マグネット缶バッジ」(関連画像4枚)
今回発売したのは、館内の洋室「玉姫」のサンルームに現存する「泰山(たいざん)タイル」をモチーフにした「熱海起雲閣てぬぐい」(1,600円)、「熱海マグネット缶バッジ」(5種、各500円)、「熱海起雲閣しおり」(3種、各400円)の3種。いずれも大正期から昭和初期にかけての別荘建築の趣を感じさせるデザインを施し、熱海の歴史と文化を身近に持ち帰ることができる土産物として企画した。
泰山タイルは、1917(大正6)年から1973(昭和48)年にかけて京都の泰山製陶所で製作された建築用装飾タイル。全て職人の手仕事で生み出され、「美術タイル」とも称される精巧さと独自の色彩が特徴。起雲閣のサンルーム床面に敷き詰められたモザイク模様は、来館者から「かわいい」と注目を集め、写真を撮る姿も多く見られるという。
発売の経緯について、熱海市文化施設運営委員会の島嵜伸孔さんは「起雲閣にはこれまでオリジナルグッズがなかった。施設内の泰山タイルに幅広い世代の来館者が興味を持っていることから、商品化したいと考えた。熱海を訪れた思い出を、形として記憶に残してほしい」と話す。
「熱海起雲閣てぬぐい」は、サンルームのタイル模様と「熱海」の文字をモザイク状にあしらったデザイン。温泉やサウナ、海辺の散策など、熱海の旅先で実用できる一品に仕上げた。「熱海マグネット缶バッジ」は、「熱」「海」の文字のほか、起雲閣別館で小説「人間失格」を執筆した太宰治、熱海にゆかりのある坪内逍遥、尾崎紅葉の小説「金色夜叉」の登場人物である貫一・お宮をモチーフにした全5種を用意。裏面はマグネット仕様。土産としても気軽に選びやすい価格帯に設定した。「熱海起雲閣しおり」は、タイルのようなつや感を再現し、文豪に愛された空間での読書体験を想起させる一品に仕上げた。デザインは、「意外と熱海キャンペーン」のデザインを手がけた平井秀和さんが担当した。
販売開始から約2週間がたち、特に手拭いが人気を集めているという。島嵜さんは「かわいいと評判で、想定以上の反響がある」と手応えを語る。今後については「由緒ある旅館だった時代を想起してもらえるような商品も展開していきたい。土産物を通して、起雲閣が歩んできた時代背景や物語を伝えていければ」と意欲を見せる。
開館時間は9時~17時。水曜休館。入館料は大人610円ほか。