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MOA美術館で「冨嶽三十六景」「東海道五十三次」展覧 初のデジタル端末のクイズ式

スマホでクイズを解きながら作品を観覧する来館者

スマホでクイズを解きながら作品を観覧する来館者

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 MOA美術館(熱海市桃山町)で7月30日、クイズで楽しむ「冨嶽三十六景」と「東海道五十三次」が始まった。

館内入口にあるQRコードを読み取ってクイズを開始する

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 期間中、浮世絵風景の代表画と言える葛飾北斎の「冨嶽三十六景」と歌川広重の「東海道五十三次」の全作品を展示する。来館者は館内入口にあるQRコードをスマホで読み取り、クイズが表示されるウェブページを見ながら館内を巡って作品に由来するクイズを解いていく。携帯端末の貸し出しやクイズが印刷された用紙も用意する。同館の担当者は「これまでにクイズ形式の展覧会はあったが、スマホを使っての試みは初めて」と話す。

 江戸時代後期の浮世絵師・葛飾北斎が残した「冨嶽三十六景」は、富士山信仰の盛行を背景にさまざまな富士山が描かれた北斎の代表作。富士山の風景と共に当時の人の生活も描写されている。「神奈川沖浪裏」や「赤富士」こと「凱風快晴」などに代表される斬新な構図と鮮やかな色彩の作品が展示される。

 同じく江戸時代の浮世絵師・歌川広重は、風景画家として名声を高め、「東海道五十三次」に代表される多くの名所絵を残した。同作品では、旅の情景や自然と融合した庶民の暮らしが生き生きと描かれている。

 担当者は「『冨嶽三十六景』と『東海道五十三次』の全作品を同時に展示するのは非常に珍しい。クイズの答えには作品の解説も付いてくるので、作品への理解を深める機会にしてもらえれば」と期待を込める。

 開館時間は9時30分~16時30分。木曜休館(8月12日は開館)。観覧料は一般1,600円ほか。9月7日まで。

 同館は伊豆山の土石流災害を受け、「美に触れる憩いの場を提供したい」と、8月31日まで熱海市民を無料招待している。入館には運転免許証など熱海市民を証明できるものが必要。

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