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熱海に私設図書館「多賀文庫」 5000冊並べ「地域の交流場所に」

私設図書館「多賀文庫」をオープンした鈴木和成さん

私設図書館「多賀文庫」をオープンした鈴木和成さん

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 私設図書館「多賀文庫」(熱海市下多賀)がオープンして2カ月がたった。

本棚の区画を貸し出す「本棚オーナー」のコーナー(関連画像7枚)

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 マックスバリュエクスプレス熱海多賀店近くに地元の鈴木モータースが開業した同店。同社の鈴木幸一社長の長男・和成さんが館長を務める。熱海出身の和成さんは進学で上京。その後、地元に戻って会社勤めの傍ら同店を開業した。和成さんは「多賀には書店も図書館もない。本に触れたり、子どもが勉強したりする場所が必要。地域の人が交流する場所にできれば」と話す。

 建物は信用金庫の支店跡で、1階に図書館を配置し、2階にはレンタルスペースを設けた。知人や住民らが本を寄贈してくれ、小説、漫画、絵本、実用書など、既に5000冊以上の本が並ぶ。季節の特集コーナーやカフェスペース、ボードゲームの貸し出し、キッズスペースなどもあり、地域の高齢者や親子連れが立ち寄っているという。

 本を借りることができる図書カード会員には150人以上が登録。日に日に会員数が増えているという。開店に当たっては、焼津や三島にある私設図書館を参考にし、「本棚オーナー制度」を導入した。本棚オーナーには、月額2,000円で本棚の一区画を貸し、物販や活動PRとして使ってもらう。現在6人の本棚オーナーが手作り石けんや雑貨を販売している。和成さんは「地域の交流や発展には効果的な取り組み。さらに本棚オーナーが増えていけば」と話す。

 2階のレンタルスペースは、地域の団体がフラダンスレッスンやワークショップなどで利用しており、今後は企業の研修やワーケーション利用も見込む。

 今後について、和成さんは「地域の人が交流できる場所として図書館が街の魅力の一つになり、図書館があることで住みたい人が増えて地域が元気になれば」と話す。

 営業時間は10時~17時。日曜・祝日定休。

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