伊豆山復興支援イベント「熱海・伊豆山あいぞめフェスティバル2024」のメインイベントが8月3日、伊豆山地区で開かれた。
住民と観光客を結び地域を盛り上げようと、伊豆山土石流災害の復興を支援するNPO法人「テンカラセン」(熱海市伊豆山)が主催する同イベント。被災した地域の住民や事業者らがイベント開催に協力して初の開催にこぎ着けた。
3日は、伊豆山港での「アジのつかみ取り」、伊豆山神社参道を使っての「お湯運びレース」、ステージイベントなどを行った。伊豆山港で行われた「アジのつかみ取り」には、地元漁師がアジやサバを約200匹用意。巨大ないけすで素早く泳ぎ回る魚を子どもたちは必死に追いかけて捕まえた。都内から観光に訪れた小学生は「最初はちょっと怖くて難しかったけど、たくさん取れて楽しかった」と笑顔で話していた。
風呂おけに入れた湯を運びながら約500段の階段を上る「お湯運びレース」には、地元の社会人サッカークラブ「SS伊豆」の選手らが参加。残った湯の量で勝敗を決めるレースでは、浜公園をスタートし、湯をこぼさないように慎重に運びながらゴールを目指した。参道で地元の声援を受けた参加者は「階段はきつかったが、地域の人たちと一緒にイベントを盛り上げられて良かった」と振り返る。
参道沿いのカフェバー「123MUSIC」の屋外ステージでは、SS伊豆の選手らによるリフティングパフォーマンス、地元キッズダンスチームのダンス、ジャズミュージシャンの演奏などが行われ、会場を埋めた多くの人を楽しませた。
同NPO代表の高橋一美さんは「地域の住民が笑顔になり、少しずつでも前に進むきっかけになれば。災害で伊豆山を離れてしまっている人もいる。さまざまな思いはあると思うが、戻ってきたくなるような場所を作っていきたい。毎年継続していくことで、人が集まるコミュニティーの再生につなげていければ」と意気込む。
開催は今月25日まで。期間中、スタンプラリーやベリーダンスレッスン、ワイン会などを行う。