古民家カフェ「CAFE KICHI」(熱海市田原本町)と姉妹店の「KICHI+」(同)が9月より、熱海で栽培されたダイダイの果汁を使ったダイダイドリンクの提供を始めた。
店主の青木孝憲さんとダイダイ農家の岡野谷伸一郎さんが同級生だった縁からメニュー開発を始めた。メニューは青木さんと店のスタッフが考案。「KICHI+」のスタッフ、御宿ゆかりさんは「これまで同じかんきつ類でも、ミカンやニューサマーオレンジを口にすることはあっても、ダイダイはなじみがなかった。食事メニューも熱海や静岡県の食材を使っているので、熱海産のダイダイには引かれた」と開発に至った経緯を話す。
「CAFE KICHI」マネジャーの藤野リエさんは「熱海に観光に来たお客さまには、地元のものを味わってほしい。他のメニューも生産者の顔が見えるものを扱っているので、岡野谷さんのダイダイはぴったり」と笑顔を見せる。
「KICHI+」のラインアップは「熱海だいだいジュース」(550円)、「熱海だいだいスカッシュ」(600円)、「熱海だいだい生ビール」(700円)の3種類。中でも「だいだい生ビール」が女性客に人気だという。ビールも静岡県内限定の「静岡麦酒」を使い、「ダブルで静岡の味を楽しんでほしい」と話す。ダイダイは苦味と酸味が特徴。同店スタッフの長谷部知子さんは「かんきつ類なので、お魚料理には合う。当店のしらす丼と一緒に味わってほしい」とのこと。
「CAFE KICHI」では「熱海だいだいアイスティー」(600円)と「熱海だいだいサイダー」(650円)を提供。だいだいサイダーにはてん菜糖シロップを別添えする。「まずはそのまま飲んで、ダイダイの酸味を味わってほしい。その後、お好みでシロップを追加して」と飲み方を提案する。今後は、ダイダイを使ったスイーツやホットドリンクも開発予定という。
藤野さんは「観光で来たお客さまには、その土地を感じられるような手伝いをすることが観光地にある店の役割。素材を生かして、熱海ならではの食事を表現していきたい」と意欲を見せる。
営業時間は、「CAFE KICHI」=11時~19時、「KICHI+」=11時~15時。両店共、水曜定休。