
大阪・関西万博の「バーチャル体験会」が7月28日、福祉センター(熱海市中央町)で開かれた。主催は一般財団法人「熱海観光局」。
外出が困難な高齢者をはじめとする熱海市民を対象に、万博の魅力をリアルタイムで届けようと企画したイベント。当日は、市内の介護施設利用者など26人が参加した。
大阪府夢洲(ゆめしま)の万博会場と中継をつなぎ、女性リポーターが「オンラインツアー」として現地を案内。ハンガリーやオマーンなどの国際パビリオンに加え、会場のシンボル「大屋根リング」なども紹介した。日本各地の魅力を発信する「LOCAL JAPAN展」からは、「富士のくに静岡 熱海・焼津の湯で最高の癒し体験を」のブースを紹介。現地から、熱海市の斎藤栄市長と焼津市の中野広道市長が出演し、来場者にブースの見どころを紹介した。斎藤市長は「万博会場はすごい熱気に包まれている。幅広い年代層から足湯に癒やされたと声をもらっている」と話し、現地の様子を伝えた。
長時間の視聴による疲労を軽減するための「体操タイム」や、熱海・焼津に関する「クイズコーナー」も設け、会場に参加者同士の笑顔と会話があふれた。1970(昭和45)年に開催された「大阪万博」を仮想空間で再現した「バーチャル万博紹介」も行い、参加者はおよそ50年前の夢洲の姿に思いを馳せた。
イベントの企画・運営を担当した「東京トラベルパートナーズ」(東京都渋谷区)の社長・栗原茂行さんは「万博に行きたくても行けない人たちに参加の機会を提供する取り組み。自治体と連携しての開催は、熱海市が全国で初めての事例となった。この取り組みを全国へ広げ、より多くの人が万博を体感できるようにしていきたい」と話す。