
アートイベント「ATAMI ART GRANT 2025」が11月1日、熱海市内で開かれる。主催はアーティスト支援などを手がける「ATAMI ART LINK DAO」(東京都渋谷区)。
「ATAMI ART GRANT」は、2021年に市内のホテルを舞台に初めて開かれ、アート文化を熱海に根付かせることをテーマに公募制でアーティストを選び展示を行った。2022年には、温泉まんじゅうや地ビールなどの地域産品とのコラボレーションやアートバスツアーを展開。2023年には、ARスタンプラリーやプライベートビーチでのライブなど鑑賞者の体験を重視した内容へと発展した。2024年は地元の伝統行事「熱海こがし祭り」の山車復活プロジェクトとも連携し、地域文化との接点をさらに深めてきた。
5回目となる今回は、地域の祭りとして住民を含む多くの人々が参加して体験できる文化創造の場を目指し、11月30日まで市内各所にさまざまな展示やイベントを繰り広げる。企画責任者を務めるデザイナーの近藤尚さんは、2020年から熱海を拠点として活動。地域とアートの融合に取り組んできた。近藤さんは「5年目を迎えるイベントだが、まだ熱海に根付き切っていない。今回は、地元の人にも認知されるように、会場や運営を工夫して地域を巻き込んだイベントに発展させたい」と話す。
会場は、野中山マンションのほか、リゾーピア熱海、マルノワ、静電気など。今年はアート事業を手がける「Pasona art now」(東京都港区)がメインスポンサーを務め、熱海観光局や熱海市、東方文化支援財団が後援する。
イベントに先立ち、9月10日にクラウドファンディングを立ち上げた。目標金額は100万円で、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で受け付けている。支援金は作品制作費や会場設営費、運営費などに充て、リターンには展示鑑賞チケットやボランティアスタッフとしての参加権、若者へのチケット寄贈、アーティスト福袋などを用意する。
近藤さんは「地域に愛される祭りに育てていくために、観光客の動線上だけでなく、日常生活の中に置かれたアートを大切にしたい。アーティストも主体的に関わり、交流を生み出す機会になれば」と力を込める。
チケット料金は、大人=2,000円、高校生以下=1,000円、小学生以下無料。