「ATAMI ART GRANT 2025」が11月1日、熱海市内で始まった。主催はアーティスト支援を手がける「ATAMI ART LINK DAO」(東京都渋谷区)。
2021年に市内のホテルを舞台にスタートした同イベントは、「アート文化を熱海に根付かせる」ことをテーマに掲げ、今年で5回目を迎える。これまでに地域産品とのコラボレーションやアートバスツアー、ARスタンプラリー、プライベートビーチでのライブ、熱海こがし祭りの山車復活プロジェクトとの連携など、回を重ねるごとに表現の幅を広げてきた。
今年は23組のアーティストが参加し、野中山マンションやリゾーピア熱海、マルノワ、静電気など、市内複数の会場で展開。展示を「見る」だけでなく、市民や観光客が「関わる・体験する」ことを重視した構成とし、地域全体を巻き込んだ文化祭のような雰囲気を目指す。
野中山マンションの一室では、アーティストの丹羽優太さんが、浴槽を使ったユニークな作品「鯢(はんざき)湯」を展示。オオサンショウウオの別名「ハンザキ」に着想を得て、浴槽の内部をオオサンショウウオのデザインであしらったタイル張りで表現した。日常の延長線上にある異世界のような体験を生み出している。同室では中澤ふくみさんが、アニメーションのドローイングを映像と組み合わせて展示する。
企画責任者でデザイナーの近藤尚さんは「会期の後半は混み合うことが予想されるので、早めに来て市内を周遊しながらゆっくり鑑賞を楽しんで」と呼びかける。
チケット料金は、大人=2,000円、高校生以下=1,000円、小学生以下無料。今月30日まで。