熱海市外に住む人を対象にした体験イベント「ATAMI Weekday 一泊二日のディープ熱海旅」が11月25日・26日、熱海市内で行われた。
伊豆山の「あいぞめ珈琲店」で演奏を聞く参加者(関連画像4枚)
熱海市地域おこし協力隊の三ツ井卓也さんが企画した同イベント。観光地として知られる中心部ではなく、市内の端に当たるエリアに足を運び、地域住民や事業者と交流しながら熱海の魅力に触れてもらおうと企画した。静岡県内外から地域活動に関心のある5人が集まった。
1日目は、農園「たからのはたけ」(熱海市泉)を訪れ、同農園の説田有佳さんから泉地区での暮らしやミカン農業の話を聞きながら、早生ミカンの収穫を体験。その場で収穫したミカンを味わった。
続いて訪れた「あいぞめ珈琲店」(伊豆山)では、盲目のピアニスト・志岐竜哉さんが参加者一人一人の印象を基にイメージソングを即興で披露した。同店の近くにあるプリントまんじゅう店「ANNDOT(アンドット)」(同)では、撮影した写真をその場でまんじゅうにプリントする体験も行われ、出来上がった「食べられるお土産」に喜ぶ参加者の姿も見られた。
2日目は交流拠点「AJIRO MUSUBI」(網代)に集合。同施設代表の山崎明洋さんが、網代地区の現状や地域課題、今後の展望について話した。その後、参加者は港町を散策し、「網代のまちあるき」を山崎さんの解説と共に体験した。漁師との会話や、天日で干される干物など日常風景に触れ、「観光地とは違う網代の様子」を感じる時間となった。
昼食は「BUSHI MESHI」(網代)で、目の前で削るかつお節や網代で水揚げされた鮮魚を味わった。最後に宿泊施設「あたみ石亭」(和田町)を見学し、2日間の行程を締めくくった。
焼津市からの参加者は「熱海は観光のイメージが強かったが、普段訪れない地域で事業者と距離の近いやりとりができ、印象が大きく変わった。また来たい」と話した。
三ツ井さんは「熱海は週末に観光客が集中しやすいが、平日も人が訪れる仕組みをつくりたいと考えていた。特定のエリアに人が集まりがちな今だからこそ、網代や伊豆山といった中心地から離れた地域にも魅力を感じてもらえたら」と話す。今後については、「地域おこし協力隊や大学生を対象にした企画も検討している。継続して実施していきたい」と意欲を見せる。