熱海の観光庭園「ACAO FOREST(旧アカオハーブ&ローズガーデン)」(熱海市上多賀)で1月12日、近距離パーソナルモビリティのシェアリングサービス実証実験が始まった。
パーソナルモビリティの製造・販売を手掛ける「WHILL(ウィル)」(東京都品川区)が提供する同サービス。坂道が多く、20万坪の広大な同施設内を快適に利用してほしいと、同社が販売する近距離パーソナルモビリティを来園者に無償で貸し出す。同施設に4台、近接するHOTEL ACAOに1台を用意し、利用者の意見や反応を導入の判断に生かす狙い。
同社が提供するパーソナルモビリティ「WHILL」は、運転免許不要で歩道の走行ができる「次世代型電動車いす」。5センチの段差を乗り越え、小回りがきく操作性が特長。満充電時の最大走行距離は18キロ。利用者は施設入り口に設置した端末で利用方法を動画で確認し、借りる手続きを行う。肘置きに設置されたコントローラーで進行方向やスピードを調整し、最速6キロまで出すことができる。
同社広報の新免那月さんは「当初は歩行困難者の車イスとして開発がスタートしたが、現在は快適な移動をサポートする活用が進んでいる」と説明する。空港や観光施設、坂の多い地域での導入が進んでいるという。国内では、テーマパーク「ハウステンボス」(長崎県佐世保市)や「志摩スペイン村」(三重県志摩市)などが同社のサービスを導入している。
試乗した来園者は「最初は操作が難しいと思ったが、すぐに慣れて簡単に使えた。楽に移動できそう」と話した。同施設広報の亀井しのぶさんは「若い人から年配の来園者まで全世代で使ってもらうことができる。車いすで園内の散策をあきらめめていたお客さまにも使ってもらえるのでは」と期待を寄せる。
1月31日まで。