JR熱海駅前の無料の足湯「家康の湯」(熱海市田原本町)で12月19日~21日の3日間、「だいだい足湯」が行われている。ダイダイの香りと温かなおもてなしに、熱海を訪れる観光客らは旅の疲れを癒やしている。
「家康の湯」は天然温泉を使った足湯で、2004(平成16)年に徳川家康の来熱400年記念事業として設置された。「だいだい足湯」は、ダイダイの栽培を手掛ける農家・岡野谷伸一郎さんが冬至に合わせて企画し、熱海市公園緑地課に掛け合い実現した。「家康の湯での『だいだい足湯』は初めての試み」だという。3日間で使う約100キロのダイダイは岡野谷さんが無償で提供。岡野谷さんは「以前から実行したいと考えていたことなので、喜んでいる人たちの顔を見ることができてうれしい」と笑顔で話す。「熱海の特産であるダイダイのことを知ってもらうきっかけになれば」と企画の背景を説明する。
この日、東京都品川区から友人2人と熱海を訪れた男性は「熱海で足湯に入るのは初めて。ゆず湯には入ったことがあるが、ダイダイ湯は珍しい。いい香りが印象的」と声を弾ませる。東京都豊島区から家族3人で旅行に訪れた男性は「外は寒いが、予想以上に足湯で温まることができた。子どもがダイダイを見て楽しむことができて良かった」と笑顔で話す。
岡野谷さんは「ダイダイが熱海の特産品であることを知らない人は多い。毎年実行して、『だいだい足湯』を熱海の風物詩にしたい」と意気込みを見せる。
「家康の湯」は9時~16時。