伊豆山応援イベント「田辺鶴英×田辺銀冶 母娘(おやこ)講談の会」が9月23日、熱海市指定有形文化財「起雲閣」(熱海市昭和町)で開かれる。
家族の介護を経験に独自の世界観で確立した「介護講談」を提供する講談師・田辺鶴英(かくえい)さんと、娘で同じく講談師の田辺銀冶(ぎんや)さんが出演する同イベント。鶴英さんの「介護講談」は、鶴英さんの義父を自宅介護した経験をコミカルに描いた内容で、映画化された作品が国際映画祭でベスト・ドキュメンタリー賞を受賞したこともあるという。
会を主催する舩井幸雄記念館の佐野ゆかりさんは「講談は軍記物や政談が一般的だが、鶴英さんの『介護講談』は私たちの日常を笑いと涙を誘いながら読み上げていく新しいスタイル」と話す。
今回のイベントは、昨年7月の土石流災害で多くの人が被災した伊豆山地区を応援する企画として同地区の住民を無料で招待する。佐野さんは「同じ熱海に住む人間として心が締め付けられる思いがする。傷跡は大きく残ったままだが、伊豆山の皆さまが少しでも日常を取り戻そうと助け合い、支え合って前に進もうという姿を見て、何かできることはないかと考えた」と話す。
高齢者の多い伊豆山地区の住民が会場にスムーズに移動できるようにと無料の送迎バスも用意するという。佐野さんは「ほんのひとときだが、楽しい時間を過ごしてもらえれば」と呼びかける。
開催時間は14時~15時30分。申し込みは電話(舩井幸雄記念館、TEL 0557-86-5151)と「あいぞめ珈琲(コーヒー)店」(伊豆山)で受け付ける。