和食店「味里(みさと)網代本店」(熱海市網代)が11月13日、網代郷土料理「イカメンチ」の自動販売機を設置した。
1983(昭和58)年に網代出身の森下稔さんが創業した同店。現在67歳の森下さんは現在も調理場に立ち、網代漁港で水揚げされた魚介類を使った料理を提供。地元人気店の一つとなっている。
「イカメンチ」は、イカや魚のすり身、野菜をつみれ状にして揚げた物で、イカが豊富に獲れた網代では昔から家庭料理として親しまれている。「網代では、最初に店でイカメンチを販売したのが当店」という森下さんは、冷凍自販機での販売の経緯について、「店が混んでいるとイカメンチをテイクアウトしたいお客さまの対応ができなかった。そこで、イカメンチをテレビで見た冷凍自販機で売ることにした」と話す。
自社工房で手作りするイカメンチを真空パックに入れて販売する。価格は、2個=600円、4個=1,100円。森下さんは「冷凍することでイカの風味がより一層凝縮する。店で提供する揚げたてのイカメンチと同じ品質で、24時間いつでも購入してもらうことができる。電子レンジで温めた物をそのまま食べてもおいしいが、さらにオーブンでかるくあぶるのがお薦め」とも。
森下さんは「父が夜釣り専門漁師でイカを多く獲っていたため、昔から魚のすり身を使わないイカメンチにこだわってきた。イカの風味がたっぷりと詰まった郷土料理のイカメンチを味わってほしい。今後、網代の特産品を使ったメニューも自販機に追加していく予定なので期待してもらえれば」と意欲を見せる。