熱海出身・在住の日本画家・坂本武典さんが描いた「干支(えと)ラベル」を貼った純米酒「天虹(てんこう)」の販売が12月29日、熱海市内の酒販店で始まった。
「天虹」干支ラベルとともに伊豆山から初島を望む(関連画像3枚)
「天虹」の製造元・駿河酒造場(静岡市)の杜氏(とうじ)・萩原大吾さんと坂本さんが高校の同級生だった縁で、10年以上前から坂本さんが干支ラベルのデザインを手がける。今回は「波兎(なみうさぎ)熱海湾を奔(はし)る」と題し、卯(う)が初島が浮かぶ相模灘を背景に飛び跳ねる姿を描いた。熱海梅園の梅や松も描かれている。
坂本さんは「波兎は江戸時代から縁起物の図柄として親しまれている。熱海が元気に飛躍する願いを込めた」と話す。駿河酒造場は昨年9月の台風15号で被災し、倉庫が浸水する被害を受けた。「自社が被災したにもかかわらず、今回も熱海に寄付してもらえる」と坂本さん。天虹の売り上げの一部を、昨年に引き続き伊豆山の災害支援金として市に寄付する。
29日に天虹を店頭に並べた天神酒店(咲見町)の鈴木映子さんは「昨年も干支ラベルを目当てに来店してくれたお客さまがいた。災害が風化しないように熱海のことを思ってもらえるきっかけになれば」と話す。
価格は、300ミリリットル瓶=550円、720ミリリットル瓶=1,320円。熱海市内では近江屋酒店(中央町)、石和酒店(昭和町)、善波酒店(田原本町)でも扱う。