薬膳料理店「駒子レストラン」(熱海市伊豆山)が1月21日、オープン3周年を迎えた。
東京出身で店主の西川駒子さんは、都内の芸能プロダクションなどで働いた後、薬膳料理を学び東京・赤坂に薬膳レストランを出店。自宅の一角で料理を提供するスタイルで3年ほど運営し、2019年11月、熱海に移住。現在の店を出店した。
西川さんは「祖母に当たる女優の五月みどりから自身が店を展開する熱海や湯河原に住むことを薦められた。いくつか候補物件があった中で、良い気の流れを感じた伊豆山神社の参道脇にある現在の場所に引かれて出店を決めた」と振り返る。
西川さんは12年前、乳がんになったことが生活習慣を大きく見直すきっかけになったという。「中国伝統医学(以下、中医学)の先生に出会い、食習慣やストレス環境を変え、5年でがんを克服した。その経験が現在の店の原点になっている」と西川さん。
同店は、「食物の効能により疾病を治療する=食治(しょくち)」という中医学の考え方をコンセプトに、全国から取り寄せた旬の食材を料理に使っているという。メニューは、「駒子コース」(1万6,500円)と季節の食材を使ったコース(1万9,800円、2万6,800円)を用意。席数はカウンター6席。利用3日前までに予約が必要。
定期的に発酵や薬膳の講座を開き、食の大切さも伝えるほか、玄米や雑穀を使った菓子の販売も行う。西川さんは「提供しているのは、一汁三菜のような100年前では当たり前だったような食事。健康を意識して自分の体と向き合う人が増える糸口のような店になれれば。これまで支えてくれた人の縁を大切にしていきたい」と話す。
営業時間は、12時~15時30分、17時30分~22時30分。