海岸で拾ったごみで作った作品を展示する「海からの贈り物展」が12月7日、舩井幸雄記念館(熱海市西山町)のレンタルスペースで開かれた。
熱海の海岸で拾ったゴミや海藻で作った天使のオブジェを展示(関連画像4枚)
「あいアイ美術館」を拠点に、障がい者自身のアーティスト活動による経済的自立の支援や、作品制作のために入所者と共に各地でアート活動を行うNPO法人「あいアイ」(埼玉県)が企画した同展覧会。同記念館からの助成を受けて開催した。
展示した作品の材料には、熱海サンビーチで拾ったごみや海藻を使った。11月に熱海を訪れて拾い集めたタバコの吸い殻、花火の燃えかす、海藻、流木、貝などを使い、天使の像を制作した。天使は、同NPOが作品制作のテーマとしてきたという。同展覧会のために描き下ろしたという天使や魚をモチーフにした絵画も展示した。
同NPO理事長の粟田千恵子さんは「知的障がいや精神障がいがある人には絵を描くのがうまい人が多い。最初は丸や三角も描けない子たちだが、好きなことに熱中すると素晴らしい物を作る」と話す。
同NPO事業部企画室長の池内巴里さんは「私たちにできるサステナブルなこととして、本来ならごみとして捨ててしまう物を使って天使のアート作品を作りたいと考えた。障がいのある子たちは普段、ひどい扱いを受けることもあり、下を向いて歩いているような子も多い。清掃や皿洗いのような仕事だけでなく、表に出て皆さんの心を癒やせる仕事をしていってほしい」と話す。
開催は7日だけだったが、今後、埼玉と東京でも巡回展を開く予定という。