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熱海駅近くの「蕎麦あさ田」が10周年 口コミで行列のできる店に

10周年を迎えた「蕎麦あさ田」の浅田辰雄さん

10周年を迎えた「蕎麦あさ田」の浅田辰雄さん

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 「蕎麦(そば)あさ田」(熱海市春日町)が10月8日、オープン10周年を迎えた。

温かみがあり落ち着いた雰囲気の「蕎麦あさ田」店内(関連画像4枚)

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 熱海出身の浅田辰雄さんが店主を務める同店。現在48歳の浅田さんは、25歳の時に三島市のそば店で修業を始めた。当時を振り返り、浅田さんは「書店でたまたま出合ったそば打ち職人・高橋邦弘さんの著書『僕は生涯そば打ちでいたい』がそば店の開業を志すきっかけだった。夢中になって読み、その場でそば店の求人を探して見習いとして修業を始めた」と話す。

 三島のそば店をはじめ、都内の和食店などで料理の基礎を学んだ浅田さん。31歳の時、父が体を壊したことで熱海に戻ってきたという。祖母の代から食料品店「浅田商店」を熱海駅近くで営んでいた家族を支えようと、しばらくは商店に立ち、祖母らと共に店を切り盛りした。「祖母が亡くなり、かねての目標だったそば店を商店だった場所に一念発起して立ち上げた」と振り返る。

 オープン当初は昼夜営業し、特に夜多くの客が来店して忙しかったという。「昼は暇で、そば1杯しか売れない日もあった。スタッフから心配する声もあったが、自分の信念を大切にそばと向き合ってきた」と浅田さん。すると徐々に評判を呼び、紹介や口コミで客が増えていったという。昼が忙しくなって夜の仕込みが間に合わなくなったこともあり、7年ほど前、現在の昼営業のみに切り替えた。「蕎麦あさ田」は、開店前から行列ができる人気店へと成長した。

 席数は、カウンター6席、テーブル10席。店内は、木の温もりを感じる暖かみのある雰囲気が特徴。

 メニューは、「せいろ」「田舎」「かけ」(850円)、「二色」(900円)をはじめ、「クルミだれせいろ」(1,150円)、「二色天せいろ」(1,900円)、「にしんそば」(1,400円)、「鴨南蛮」(1,700円)など。細打ちの二八そばと福井の在来種を使った太めの田舎そばを使い分ける。「今でもそば打ちと茹でる作業は、自分以外にはさせていない。その日に提供する分だけを朝打っている」と浅田さん。「そばを気軽に楽しんでほしいので、価格はできる限り抑えた設定にしている」とも。

 そばのほか、季節の野菜や魚介を使った天ぷらやつまみ、日本酒などもそろえる。

 10年を振り返って、浅田さんは「今思うと1年目の自分は全然未熟だった。今の方が確実においしいそばを出せるようになった」と話す。今後について、「自分が店に立てるうちに人の育成もしていきたい。そうすることで夜の営業も再開できる。将来的には、地元の人が気軽に来店でき、もっと一人一人のお客さまとじっくり会話できる店にしていければ」と話す。

 営業時間は11時30分~15時。土曜・日曜定休。

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