
琉球舞踊公演が2月16日、MOA美術館(熱海市桃山町)能楽堂で開かれた。
文化庁主催「日本博2.0」の事業の一環で、昨年に続き2回目。
琉球舞踊は、三線(さんしん)、太鼓、箏(こと)、笛、胡弓(こきゅう)の楽器で構成された琉球古典音楽に合わせ、紅型(びんがた=沖縄の染め物)の色鮮やかな衣装をまとって踊る沖縄の伝統芸能。同館広報担当の上榁典子さんは「昨年の盛況を受け今年も企画した。今回も沖縄出身者や、公演のために沖縄から駆け付けた来場者の姿も見える。伝統芸能の継承と発展につながってほしい」と話す。会場は約500人の観客で満席になった。
第1部では、沖縄県立芸術大学で琉球舞踊の指導に当たる比嘉いずみさんと学生らが、創作舞踊などを盛り込んだ華やかでにぎわいのある演目を披露。第2部では、重要無形文化財「組踊音楽歌三線」保持者の西江喜春さんの三線による古典音楽独唱と重要無形文化財「琉球舞踊立方」(各個認定)保持者・宮城幸子さんの古典舞踊が披露された。五穀豊穣(ほうじょう)を願う舞踊「稲まづん」では、西江さんの三線に合わせて宮城さんが踊った。
90歳を越えて琉球舞踊を踊る宮城さんは「師匠から、緊張する時は三線を聴きなさいとずっと言われてきた。音を聴くことで体に動きが入ってくる。『理屈ではない。体で体得しなさい』という師匠の教えをいつも念頭に置いている。いつまで踊れるのか、今日までかと思いながら踊っている。足腰が立って、曲が聴こえる間は踊りたい」と話す。