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熱海のDMO初代CEOに上田和佳さん 「観光客と市民双方良しの熱海に」

一般財団法人「熱海観光局」のCEOに就任した上田和佳さん

一般財団法人「熱海観光局」のCEOに就任した上田和佳さん

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 熱海市のDMO「熱海観光局」(熱海市上宿町)が4月1日、本格的に業務を開始し、同日付で上田和佳さんが専務理事に当たるCEOに就任した。

職員3人体制でスタートした「熱海観光局」

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 DMO(観光地域づくり法人)は、行政や地域の事業者、住民などさまざまな関係者が連携して地域観光づくりを行うかじ取り役。熱海観光局は一般財団法人として昨年7月12日に設立された。熱海市が今年4月1日から導入した年間6億円を見込む宿泊税を財源に、観光の効果的な戦略を熱海市に提案し、地域事業者の育成を図りながら、人気観光地・熱海の持続可能な地域づくりと観光振興に取り組むという。事務所は熱海市立図書館のある建物に置き、職員3人体制でスタートした。

 磐田市出身の上田さんは、JTB勤務を経て2022年4月から3年間、静岡県観光協会に出向。静岡県の観光振興に当たった。CEOには公募に応じての就任。「熱海は子どもの頃に家族旅行で訪れていた所。JTBで沼津支店長や法人担当を務めていた時にも地域の事業者や熱海市との接点は多く、地域との連携を深めてきた」と上田さん。「限られた一般財源に頼らず観光財源を活用した『熱海型DMO』が目指すところに市の覚悟を感じた。経験を生かし、時間をかけて練られた観光政策を掲げる熱海市にさまざまな提案をしていきたい」と話す。

 同DMOの理念は「愛され、選ばれる熱海へ。観光の力で未来をつくる」。上田さんは「訪れて良し、泊まって良し、住んで良しの熱海にしたい」と話す。目標に掲げるのは、年間延べ宿泊客数325万人の達成、観光消費額の増加、平日の宿泊稼働率の向上、観光客と市民の満足度向上、熱海のブランド価値の向上。「平日の宿泊稼働率とインバウンド(訪日客)比率の引き上げが特に重要な課題」と話す。企業向けのワーケーション誘致、高齢者・家族連れに配慮したバリアフリー化・交通インフラ整備、観光客と市民双方の満足度を高める施策などを推進するという。

  「すぐにでも対策できるものもあれば、根本的に課題を解決すべきこともある」と中長期的な目線で先を見据える一方で、推進に当たっては「民間企業の速度を大切にしたい」と話す。「半官半民の法人だからこそ、熱海市との連携を密に行いながらスピード感をもって提案を重ねていきたい」と意気込む。

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