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熱海の美術館で感性と創造性を育む越境学習型企業研修プログラム

「Art Insight Program」の提供を始めたMOA美術館の戸田さんとGensen & Coの佐々木さん(左から)

「Art Insight Program」の提供を始めたMOA美術館の戸田さんとGensen & Coの佐々木さん(左から)

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 熱海の企業研修事業を手がける「Gensen & Co(ゲンセンアンドコー)」(熱海市銀座町)が6月17日、公益財団法人岡田茂吉美術文化財団が運営するMOA美術館(桃山町)と共同で、企業向けに体験型プログラム「Art Insight Program」の提供を始めた。

生け花体験を行う研修プログラム

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 同プログラムでは、美術品鑑賞や生け花体験による五感を活用した学びを通じて、日常の職場から離れた非日常空間での「越境学習」を促進する。参加者は作品や花と対話しながら自身の価値観や判断軸、共感力を深め、ストレス軽減やチームビルディングの効果を期待できるという。

 MOA美術館は、相模灘を望む自然光あふれる環境と国宝・重要文化財を含む所蔵品が特徴で、美術のみならず「花のある暮らし」の提案を行う花文化推進でも知られている。創立者・岡田茂吉が提唱した「花と話をし、その花の心をいける」という精神を背景に、同館は国内外14カ国で「光輪花クラブ」などの教育活動を行ってきた。

 プログラムは大きく2種を用意。「FLOWER DIALOG WORKSHOP」では一輪の花を使った生け花体験を通じて、固定観念からの解放と内省を促し、参加者間で感性を共有する機会を提供する。「ART DIALOG WORKSHOP」では館蔵作品を対話形式で鑑賞し、他者との感性の違いに気付き、自己理解と他者理解を深める機会とする。

 標準プログラムは約2.5時間、参加費は1人8,800円(入館料込み)。企業経営者や管理職層、チーム単位での参加も可能で、出張開催や1日または2日間といったカスタマイズにも対応する。

 Gensen & Coは2019年に熱海で企業研修事業を始め、これまでに100社・1200人以上を対象にプログラムを提供。地元事業者と連携し、地域の魅力を生かした研修や滞在体験を通じて、熱海地域のファン拡大と人的資本経営に貢献してきた。今回の「Art Insight Program」はその第1弾と位置付け、今後も同社は熱海エリアで新たなプログラムを展開していく考え。

 同社社長の佐々木梨華さんは「AI時代だからこそ、人間にしか生み出せない創造性やウエルビーイングを育成することを目的にしている。特に経営者やエグゼクティブ層には、自分に向き合う時間として利用してほしい。今後、熱海の資源を生かしたプログラムを開発し、利用を促進することで、平日の宿泊にもつながっていけば」と話す。MOA美術館の戸田宗裕さんは「プログラムは、体験を中心にどんな役職や立場の人でも美を楽しみながら気付きを得られることが特徴。花や美術品と静かに向き合うひとときが、美意識を自然に引き出してくれる。その時間の中で、物の見方や考え方、行動、必要な気付きや体験が生まれてくるはず。少しでも豊かなビジネスライフにつなげてもらえれば」と話す。

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