宿泊施設「ホテルニューアカオ」（熱海市熱海）が7月3日、社員向けに「熱海を知る 街歩き研修」を行った。

佐々木さんによる「熱海のまちづくり」をテーマにした講義（関連画像4枚）

　熱海市内で企業研修プラグラムを提供する「Gensen & Co（ゲンセンアンドコー）」（銀座町）が協力。熱海の文化や歴史を実地で学び、接客に生かすことを目的に開いた。開催の経緯について、同ホテル総支配人の礒崎慎さんは「従業員同士のコミュニケーションの希薄さが課題だった。新入社員や中途採用者の交流と地域理解を深めようと思った」と話す。

　参加者は、「Gensen & Co」の佐々木梨華さんによる「熱海のまちづくり」をテーマにした講義を受講。熱海の歴史やまちづくりの背景について学んだ後、熱海銀座商店街をはじめとする周辺エリアを散策し、商店の店員と会話して、商売や暮らしの空気を肌で感じた。

　メインプログラムの「チャレンジ the ミッション」では、参加者がチームに分かれ、制限時間内に提示されたミッションに挑戦した。市内の店舗や神社仏閣を訪れ、写真や動画を撮影したり、商品を購入したりしてポイントを集める体験型のワークショップを展開した。移動手段は徒歩とバスのみで、伊豆山や街中エリアなど熱海全域を回る工夫が凝らされた。

　参加者からは「思った以上に熱海は奥が深い」「この場所に来たのも何かの縁だと感じた」などの声が上がった。礒崎さんは「昼間の熱海を知らないスタッフが多い現状があり、地域を知る機会をつくりたかった。従業員が『私のお薦めはこの店です』と自信を持って言えるようになってくれたら」と期待を寄せる。「今後もこうした機会を増やし、地域とホテルとの距離を近づけたい」とも。