
熱海市が8月1日、熱海駅周辺の道路状況をリアルタイムで確認できる「道路ライブ映像配信」を期間限定で始めた。
カメラの設置場所は「熱海駅前広場」「熱海駅前交差点」「田原本町交差点」「熱海シェル前」の4カ所。映像は市の公式ホームページのほか、ユーチューブチャンネルでも24時間ストリーミング配信する。スマートフォンやパソコンから簡単にアクセスでき、混雑状況や一般車の送迎スペースの様子などをリアルタイムで確認できるようにした。
設置の背景には、駅周辺における深刻な交通混雑がある。とりわけ、田原本町交差点から熱海駅前交差点間では、時間帯によっては車の平均速度が徒歩下回る事態も発生していた。多くは観光客の乗用車と見られ、駅近隣で駐車場を探して走り回る「うろつき渋滞」が慢性化。観光客の移動行動が集中する一方で、道路や駐車場などのインフラ容量が不足していることが、混雑の一因となっていた。
都市整備課の担当者は「熱海駅方面に向かう市民の皆さまにも、映像を活用して混雑状況を確認していただき、時間に余裕を持って移動してもらえれば。場合によっては駅周辺道路を避けたり、JR来宮駅の利用も選択肢として検討したりしてほしい」と話す。
夏休み期間中は、駅周辺の駐車場の混雑が予想されることから、市では観光客に対しても、「事前にライブ映像で混雑状況を確認し、混雑する時間帯や場所を避けながら快適な熱海観光を楽しんでもらいたい」と呼びかけている。
市は、駅前整備後もなお発生する課題や問題点について、市民の声を広く聴取し、駅前広場と駅周辺の交通利便性やまちの活性化に反映することを目的に年2回、「熱海駅前広場満足度向上市民懇話会」を開いている。本年度の1回目は7月10日に開催。駅周辺の現状と課題について意見交換が行われ、映像配信実施を報告した。渋滞を引き起こしている民間駐車場への警備員の設置をするほか、道路改良、駐車場整備なども進めていく。
配信は8月31日まで。