
「第78回初島・熱海間団体競泳大会」が8月4日、熱海市で開かれた。
同大会は、文部科学大臣杯を受けて1926(大正15)年に始まり、戦争による中断を挟みながらも長年にわたり開催されてきた歴史ある競技会。海を舞台にした団体競泳として全国的にも特異な存在であり、地域の伝統行事としても定着している。
泳者3人と指揮者1人でチームを構成し、泳者は10メートル以内の間隔を保ち集団で泳ぐことがルール付けられている。泳者のうち1人でも落後者を出した場合や、チーム全体が4時間の制限時間内にゴールできなかった場合は失格となる。
第78回となる今回は、選考により選ばれた全国25チームが出場。正午、選手たちは初島港を一斉にスタートし、約12キロ先の熱海サンビーチを目指した。当日は晴天に恵まれ、選手たちは強い日差しと潮流に立ち向かいながら、息の合った泳ぎで懸命に前進した。
トップでゴールしたのは神奈川県水泳連盟。終始安定した泳ぎと高いチームワークで他チームを圧倒し、2時間19分18秒のタイムで大会4連覇を成し遂げた。2位は海王で2時間56分55秒。3位は八王子水泳愛好会で2時間59分50秒。3チームがタイムオーバー、2チームが棄権となった。
大会を終えた後、ゴール地点の熱海サンビーチでは選手や関係者、観客が健闘をたたえ合い、海と仲間に感謝する拍手が響いた。神奈川県水泳連盟の大塚陽さんは「優勝できてほっとした。風はあったが力を合わせて頑張ることができた。最後の3キロはなかなか前に進まなかったが、力を振り絞った」と振り返り、「来年も勝てるように準備したい」と力強く話した。