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熱海で伝統工芸「熱海楠細工」ワークショップ 親子が技術を体験

小端吾郎さんに教えてもらいながら「ぶんぶんごま」を作る参加者

小端吾郎さんに教えてもらいながら「ぶんぶんごま」を作る参加者

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 熱海の伝統工芸「熱海楠(くすのき)細工」を体験できる木工ワークショップが8月23日・24日の2日間、リゾートパーク「ACAO FOREST(アカオフォレスト)」併設の「NOT A GALLERY」(熱海市上多賀)で開かれた。

完成した「ぶんぶんごま」を楽しむ参加者(関連画像5枚)

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 同ワークショップは、静岡県指定の伝統的工芸品である熱海楠細工を身近に感じてもらおうと企画されたもの。小学生以上を対象に各日11時と14時の2回、定員20人ずつで行った。

 体験内容は、ひもを引いて回転させる昔ながらの木製おもちゃ「ぶんぶんごま」の製作と、木の板に模様を描いて仕上げるコースター作りの2種類。参加者は、木を削ったり磨いたりしながら、クスノキの香りと手触りを楽しんだ。製作を指導したのは、熱海楠細工の職人である小端吾郎さん。三島出身の小端さんは、神社など文化財の漆塗装の修復に携わった後、熱海楠細工の工房で技術を磨いてきた。「クスノキは古くからこの地域で生活に根付いてきた木。独特の木目や香りを、作品作りを通して感じてほしい」と話す。

 熱海楠細工は1837年に熱海で始まったとされる伝統工芸で、クスノキを使った膳や盆、小箱などが温泉客に人気を博した。現在は2事業所で3人の職人が技術を継承している。クスノキの美しい木目や香り、防虫効果が特徴で、選木や天秤(てんびん)ほぞなどの組み立て、漆塗りといった職人技によって仕上げられる。

 小端さんは「木の魅力は実際に見て手に取ってもらうと感じられる。地元の人にも魅力を知ってもらいたい。伝統技術を生かして生活に合った作品作りを続けていければ」と話す。

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