
「熱海と世界のシンポジウム 儲けよう熱海」が8月29日、熱海の「ホテルニューアカオ」(熱海市熱海)で開かれた。主催はマーケティング会社「5-DIMENSIONS」(東京都港区)と熱海経済新聞(春日町)。
「ホテルニューアカオ」で開かれたシンポジウムの様子(関連画像4枚)
熱海経済の活性化や世界から人を呼び込むための国際的な視点を取り入れ、熱海と首都圏の企業経営者との交流を図ることを目的に開いた同シンポジウム。当日は鈴木康友静岡県知事と、ニューヨークを拠点に国際的なコンサルティングを手がける青木恵子さんを招いた。参加者は73人で、熱海や伊東など近郊の経営者と首都圏の経営者が、それぞれ半々を占めた。
青木さんは、世界各国で展開する鉄板焼きレストランチェーン「ベニハナ・オブ・トーキョー」の元CEOで、ニューヨークの社交界でもビジネスで成功した日本人女性の1人として知られる人物。日本では長野県の海外施策を支援するアドバイザーとしても活動しており、鈴木知事とは30年来の知人。熱海の今後の発展に向け、海外からの誘客や地域価値の向上をテーマに2人を招いたイベント開催が実現した。
トークショーでは、青木さんが「観光地にはエンターテインメントが必要」と強調し、コンサートホールの開設や浜辺でのフェス開催などを提案。「ニュース性のある話題を発信し、注目される街に」と呼びかけた。鈴木知事は「海外富裕層を誘致するには、静岡空港のプライベートジェット活用や空飛ぶ車で熱海に来られる仕組み、クルーズ船の寄港整備なども一案」などと構想を語った。
続くトークディスカッションでは、体重計や健康計測機器で知られる「タニタ」(東京都板橋区)元会長で熱海在住の谷田大輔さん、市内で企業研修事業を手がける「Gensen&Co」(銀座町)社長の佐々木梨華さんも登壇。谷田さんは「スターリンクを活用し、市内全域での通信環境整備を」と提案し、これによりインバウンド観光や国際的企業の誘致につなげる考えを示した。佐々木さんは企業誘致や副業を通じた首都圏人材との関係づくりを紹介した。鈴木知事は、伊豆で進めている「温泉旅館オフィス化事業」でベンチャー企業誘致を進めていることを説明。青木さんは「経営者は距離を移動し、国際的な視野を養うべき」と行動哲学を語った。
交流会では参加者同士の活発な意見交換が行われ、「インバウンド事業者とつながりができた」「青木さんと知事、参加者のエネルギーを感じた」「新たな視野やネットワークが熱海でのビジネスのヒントになった」などの声が聞かれた。