体験型イラストまんじゅう店「ANNDOT(アンドット)」(熱海市伊豆山)が6月1日、国道135号沿いの伊豆山神社参道近くにオープンする。
まんじゅうの自動製造機で作られる様子を眺めることもできる(関連画像5枚)
伊豆山で弁当店などを経営する「キヨミ」が新たに開く同店。空き家だった築100年を超える民家を改装した。店舗面積は約40坪。白あんをカステラ風の生地で包んで焼いた小ぶりなまんじゅう「熱海カステラまんじゅう」を中心に、ドリンク、自社の弁当店でも人気というから揚げやイカメンチなどのフードメニュー、まんじゅうを使ったスイーツを販売する。
まんじゅうは、全国的に「都まんじゅう」などの名称で知られるタイプで、昭和初期、福岡にあったまんじゅう製造機械メーカーが東京都内で販売を始めたのがルーツという。まんじゅうの製造所にはイートインスペースを併設。席数はテーブル=30席。テラス席も備える。
開業の経緯について、2021年に発生した伊豆山の土石流災害で自社の店舗が被災した高橋一美社長は「老若男女に安定した人気のまんじゅうを提供することで話題になるような店を新たに作り、ここ最近は新しい店や宿泊施設も増えつつある伊豆山に観光客を呼び込みたい。共に新しい風を吹かせていければ」と話す。
まんじゅうは、焼きたてを店頭に並べて販売。1時間に500~550個が焼けるという自動製造機を導入した。原材料は全て国産。白あんの甘さは控えめにしたという。価格は80円。温泉マークやキャラクターのイラストなど15種類ほどのデザインをあしらう。客のスマホに保存された写真などをその場でまんじゅうに転写する「オリジナルプリントまんじゅう」(100円)も提供。「物を販売するだけではなく、手軽に体験を楽しんでもらいたい。撮影したばかりの写真を転写することで、旅の思い出を残してもらえるようにした」と高橋社長。佐藤弥希店長は「観光客がオリジナルまんじゅうを楽しみながら、店内でゆっくり過ごせる店にしたい」と話す。
「今後は、市内の小中学校や保育園、幼稚園にまんじゅうの無償提供を予定している」と高橋社長。「自分にとって、売り上げが見込める繁華街や商店街ではなく、伊豆山でやることに意味がある。復興途上でまだ大変なことは多いが、伊豆山の可能性に残りの人生を懸けたい」と力を込める。
営業時間は10時~17時。水曜定休。