イタリア料理店「A TUTTA(ア・トゥッタ)」(熱海市清水町)が9月30日、グランドオープンした。
岩手出身の冨手高聡さんが店主を務める同店。冨手さんは調理師学校で料理を学んだ後、滋賀県や都内のレストランで修業。本場イタリアでも3年ほど同国の料理を学び、帰国後は横浜のレストランを経て伊豆市のオーベルジュでスーシェフとして経験を積んだ。40歳になったタイミングで独立。同店を開業した。熱海で開業した理由について、冨手さんは「熱海市の姉妹都市・サンレモ近くのインペリアという所で働いていた。熱海にはサンレモにも通じる良い雰囲気を感じた」と話す。
同店は清水町の住宅街にある。「繁華街からは離れた隠れ家レストランにしたかった。お客さまに静かな場所でゆっくりとした時間を過ごしてもらいたい」と話す。
店舗面積は約8.5坪。席数はカウンター6席。テーブルは増設予定という。カウンターには伊豆産の杉材を使うほか、キッチン壁面にはタイルを貼る。「温かみと高級感あるシックな雰囲気に仕上げた」と冨手さん。「客席や店外の壁は白色を基調にした。イタリアにいた時の記憶で印象的な白く光った建物のイメージをモチーフにした」と話す。
現在のメニューは、予約制でコース料理のみ。ランチコースは、伊豆野菜のサラダ、スープ、パン、前菜盛り合わせ、パスタ、ドルチェ、食後のドリンクが付くAコース(3,000円)と、Aコースに肉か魚料理が付くBコース(5,500円)。ディナーコースは、5,500円と8,500円の2コースを用意する。ワインはイタリア産を中心にそろえ、グラスは1,000円程度から、ボトルは6,000円程度から8,000円台を、それぞれ中心価格帯に用意する。
料理の原材料は、イタリア産のほか、熱海の周辺地域の物に絞る。冨手さんは「熱海の名所・十国峠から見渡せる範囲の地域で作られた物を使っての地産地消を目指す。イタリアは、フランスなど隣接する国の文化が料理に影響されている面白さがあった。静岡県にとどまらず周辺地域の影響を受けている熱海の文化を料理に反映したい」と話す。
今後について、冨手さんは「コロナをきっかけに都心に限らず、地方でもおいしい店を作れば勝負できるようになった。繁華街から外れていても地元の人が集まってくれる店を作りたい。縁もあって出店した熱海の活性化につながれば」と力を込める。
営業時間は、12時~14時30分、18時~22時。月曜定休。ランチは水曜のみ(木曜~日曜のランチは応相談)。