熱海商工会議所(熱海市渚町)で4月9日、「熱海だいだい実行委員会」発足式が行われた。
実行委員会は、熱海の特産品であるダイダイを使い、新たな観光コンテンツの開発や飲食業の発展を目的に設立した。熱海料飲連合会、熱海社交業組合、静岡県飲食業生活衛生同業組合熱海支部の3団体が合同で立ち上げる。発足式には、3団体の幹部らに加え、ダイダイ農家の岡野谷伸一郎さん、販促サポートをするサッポロビール静岡支社の担当者も出席。設立の背景や取り組み内容、抱負などを述べた。
ダイダイ果汁や冷凍したダイダイを使ったダイダイサワー「あたみ割り」は、2年前から開発が始まり、現在は市内の飲食店、約40店で提供されている。実行委員会の鈴木恵次会長は「ダイダイを使った商品を模索し、2年前のビール祭りから販売を始めた。市内の飲食店でも販売をし、非常に評判が良い。まだ認知度が低いので、100店での販売を目指して広げていきたい」抱負を述べた。「全国2位となってしまった生産量を、もう一度1位に返り咲けるように、生産者と一緒になって取り組んでいきたい」とも。
熱海料飲連合会の長沢寛治会長は「ダイダイのビターな味わいが人気。3団体に所属する約240店のほか、旅館組合や商工会議所の会員にも『あたみ割り』の提供を呼び掛けていきたい」と話し、SNSやグルメサイトなどを通じて、顧客への広報活動も積極的に行っていくという。
ダイダイ農家の岡野谷さんは「市内でダイダイを使う飲食店が増えれば、自分のところだけでなく、他の農家が作るダイダイの流通も増える。生産者として貢献できるように頑張りたい」と意欲を見せる。果実と果汁は冷凍することで、年間を通じて安定して供給できる体制にあるという。今後は、あたみ割りだけでなく、他の事業者とも協力し、食品以外への活用も模索していく。長沢会長は「ダイダイを使った商品の販売はまだまだ無限の可能性がある。熱海中の山々で栽培されるようになれば」と期待を込める。