熱海の旅館「法悦」(熱海市西山町)が地元のバー「2F」(銀座町)とコラボしたオリジナルカクテルを開発し、11月1日、両店で提供を始めた。
法悦は創業56年の温泉旅館。1956(昭和31)年から東京・銀座で小料理店を営んでいた。その後、熱海で旅館を始め、1964(昭和39)年、現在の來宮神社の近くへと移った。昨年で55周年を迎えた同館。数年前から「チャレンジスピリッツあふれるベンチャー企業」として、業務革新に取り組んでいるという。
熱海では新型コロナウイルスによる飲食店での集団クラスターが発生。夜の街に飲みに出る観光客も以前と比べると減少し、「旅館に滞在しながら本格的なカクテルを飲むことができれば、お客さまも安心するのでは」と考えコラボ企画を立ち上げたという。
コラボカクテルは「フレグラントティーフィズ」(1,000円)で、ジンに静岡県産のほうじ茶を漬け込んだオリジナルリキュールがベース。熱海産のダイダイ果汁を加え「地産地消にこだわった」という。同館の村田憲史専務は「法悦で提供している愛鷹牛に合うカクテルをコンセプトにした。愛鷹牛とのマリアージュを考え、甘さや渋みの改良に苦労した」とこだわりを説明する。
今後は同館利用客にバー「2F」の割引券を配るなどして、熱海の街でも飲み歩いてもらえるような取り組みをしていくという。