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熱海のホテルニューアカオでアーティストと宿泊客の交流プログラム

アーティストとのワークショップに参加する親子

アーティストとのワークショップに参加する親子

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 熱海のホテルニューアカオ (熱海市熱海)で5月3日、アーティストと宿泊客の交流プログラム「AKAO OPEN RESIDENCE#1(オープンレジデンス)」が行われた。

画家の大小島真木さんとのアートツアー

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 同プログラムは、ホテルニューアカオが東方文化支援財団と進める「PROJECT ATAMI」の一環。アーティストらが同館に約1カ月滞在しながら作品を制作し発表する滞在制作型プロジェクトで、年間20人のアーティストが参加する。熱海の魅力をアートにより再発見し、楽しみながら創作活動をして作品を作り上げる。

 3月~4月の第1タームには4人のアーティストが参加。実際に熱海の街を歩き回ったり、宿泊施設周辺でのフィールドワークで体験したりしたことを作品作りに生かした。オープンレジデンスでは、宿泊客や同館スタッフらがアーティストの創作風景や完成した作品を見学し、アーティストから作品のコンセプトや作品に込めた思いなどを熱心に聞き入った。

 横浜を拠点に活動する写真家のHIRO TANAKAさんは熱海市内を歩いて回り、特に印象的だったという銀座町の裏通りを撮影。約1650枚の写真を一枚一枚パズルのようにして組み合わせた作品を披露した。HIROさんは「熱海は古いものと新しいものが混在していて街が面白く、大好きになった。坂の上や森の中にも引かれる場所がたくさんあった。市内の他の場所も撮影中なので、また新しい作品を作りたい」と話す。

 美術家の光岡幸一さんは「石のいし(意志)」というテーマで「映像とドローイング」の作品を制作した。同館に隣接するアカオビーチリゾートで撮影した作品には、急坂を転げ落ちる石に光岡さんが言葉を吹き込み、「石がまるで意志を持って転がっていうように見える」作品を作り上げた。

 特殊照明作家の市川平さんは、鍵盤を押すと機械と照明が動くことにより、壁や天井に映し出されるさまざまな影や光を表現した。市川さんは「部屋の窓から見た風景など、熱海に来て受けたインスピレーションで制作した。特に熱海の夜景をイメージした」という。動く光と影の幻想的な光景に見学者らは見入った。

 画家の大小島真木さんは、休業中のアカオビーチリゾート内のレストランをアトリエとして使い、目の前のビーチに打ち上げられた海洋ゴミや石などを拾って作品作りに生かす。「このビーチを毎日散歩するだけでも気分が違う。海と陸との境界を意識して描いている」と話す。レストランの床一面に広がる作品を、見学に参加した子どもたちは興味深く眺めた。

 5月からの第2タームに参加するアーティスト、遠藤一郎さんは「未来美術家」として、凧(たこ)に夢を書いて空に揚げるワークショップを行う。実際にワークショップに参加した宿泊客の家族は「今回はここでアートのイベントがあると知って宿泊することにした。3歳の娘は家でも絵を描くことにはまっていて、今日も楽しく笑顔で参加できた。駅周辺などは混雑して人も多かったが、ホテルの広い空間でゆったりと体験でき、安心して子どもも没頭していたので良かった」と笑顔で話す。

 第2タームには4人のアーティストが加わり、同館に滞在しながら創作活動を始める。今後は、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の状況を見極めながら、宿泊客以外の人もワークショップや作品の見学に参加できるプログラムにしていく予定だという。

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