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熱海のクラフトビールと焼肉の「田」が2周年 銘柄牛と自社製造ビールを提供

自社製造のクラフトビールを提供する「田」の田中力さん

自社製造のクラフトビールを提供する「田」の田中力さん

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 熱海市役所近くの焼き肉店「Yakiniku & Craft Beer 田(でん)」(熱海市中央町)が5月11日、2周年を迎える。

各種クラフトビールを揃える

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 クラフトビールを製造・販売する「Far Yeast Brewing」(山梨県北都留郡)が2019年に開業した同店。現在、都内と福岡でもクラフトビールを提供する飲食店を経営するが、焼き肉店とクラフトビールの組み合わせは、熱海の同店だけ。店舗責任者を務める田中力さんの出身が沼津市という縁から、熱海への出店を決めた。

 開業から2周年に当たり、田中さんは「台風や新型コロナの影響、人手不足など大変なことも多かったが、尾崎牛とクラフトビールというこだわりが、熱海の人たちにも受け入れられてきた」と振り返る。開業から夏にかけては順調に推移したものの、9月に市内を襲った台風により水道が止まり、一時は営業ができない状態となった。集客も落ちたことで、値段を下げて提供したにもかかわらず、売上は上がらなかったという。田中さんは「改めてポリシーの大切さを痛感し、しっかりこだわりの肉を提供することに切り替えた」と話す。その後、集客は回復し、コロナ禍にあっても順調に営業を続けられているという。

 同店のコンセプトは、「自社製造のクラフトビールと希少な尾崎牛の組み合わせ」。クラフトビールは、山梨の自社工場で製造するビールを中心に提供する。田中さんは「ビール市場はこれまで大手ビールメーカーが独占してきたが、ビール離れが叫ばれている。そんな中で、ビールに多様性を持たせようと、日本でもクラフトビールの作り手が増えている。『ビールを楽しむ、選ぶ』ということをお客さまに体験してもらいたい。開業した頃、熱海には8タップ持っている店は無かったので、それを実現させたかった」と話す。

 尾崎牛は年間40頭程度しか流通しない希少な銘柄だという。「宮崎の尾崎さんが飼育する黒毛和牛。天然の飼料のみで育てている。都内の高級レストランなどで主に使われており、焼肉店での提供は珍しい。脂が軽くてサラサラしているので、くどくなくて胃もたれしにくいのが特徴」と田中さん。高齢者の多い熱海の客にも好評だという。単品メニューは、「尾崎牛リブカブリ」(1,980円)、「尾崎牛サーロインステーキ」(3,980円)など。コースは5,500円から用意する。ランチメニューは、「ハラミ焼肉定食」(1,750円)、「尾崎牛サーロイン焼肉定食」(3,680円)など。熱海の「17時からクーポン」の利用もできる。

 「目下の課題は人手不足」と田中さん。「キッチン経験者には最大30万円の入社手当を用意している。週末のランチタイムだけというアルバイトスタッフも歓迎。人手を確保して、より良いサービスを提供していきたい」と話す。「地域の人にも観光客にも、尾崎牛と合わせて、クラフトビールの多様性を楽しめる店として愛される店になれれば」と意気込みを見せる。

 営業時間は、11時29分~14時30分、17時~22時。月曜はディナーのみ営業。水曜定休。

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