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熱海の老舗中華料理店「幸華」が90周年 3代目が夫婦でつなぐ創業の味

1日120個作ることもあるという「ジャンボ焼売」と早苗さん、豪さん、スタッフ(左から)(撮影時のみマスクを外しています)

1日120個作ることもあるという「ジャンボ焼売」と早苗さん、豪さん、スタッフ(左から)(撮影時のみマスクを外しています)

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 熱海の老舗中華料理店「幸華(こうか)」(熱海市渚町)がこのほど、90周年を迎える。

幸華の歴史を語る貴重な写真を保管する

 1931(昭和6)年創業の同店。初代店主の飯田祐幸(ゆうこう)さんが平塚市で開業したのが始まりで、その後、昭和前半に熱海の糸川沿いに屋台として移転した。現在の場所で営業を始めたのが、1950(昭和25)年に発生した熱海大火の後とされているが、「坂口安吾の小説の中で、熱海大火で幸華が焼けたという記述もあり、定かでは無い」と3代目店主の飯田豪さん。

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 豪さんが店に入ったのは、現在の建物に建て替えた後の1985(昭和60)年ごろのこと。熱海出身の豪さんは婿養子として入り、横浜中華街で修業した後、2代目店主の飯田幸穂(ゆきほ)さんから店を継いだ。妻の早苗さんは、当時撮影された数多くの白黒写真を眺めながら、「3代目が入ったころには、祖父はだいぶおとなしくなっていたが、現役のころはとても恐くて有名だった。それくらいの気概を持っていたのだと思う」と振り返る。初代は東京の中華料理店で修業した後、平塚で店を開いたのが1931(昭和6)年の5月か6月辺りだったという。サングラス姿の初代が狩猟する姿や、若かりし2代目が店に立つ姿、昭和20年代の幸華の店内外など、貴重な写真に思いをはせる。

 現在の人気メニューは「幸華特製 ジャンボ焼売(シューマイ)」(4個700円)で、同店を有名店に押し上げたのがこのシューマイだった。東京名店街のコンクールで初代が作ったシューマイが優勝し、マスコミが取材に同店を訪れることになった。「取材に来るということで、見えを張って一回り大きなサイズのシューマイにしたところ、それが人気になった。それが今の『ジャンボ焼売』の原点」だという。それを2代目、3代目が引き継ぎ、以来、幸華の代表的なメニューの一つとなっている。

 「五目そば」「揚げ焼きそば」(以上1,200円)は創業当時から守られてきた味として知られ、熱海に別荘を構えていた文豪や著名人がこの味を求めて足しげく通った。小説家の坂口安吾のほか、漫画家の赤塚不二夫、ミュージシャンの内田裕也など、数多くのサインが保管されている。早苗さんは「創業からの味を大切に受け継ぎながらも、時代に合わせて味を整えてきた。昔は卵や砂糖が貴重だったので、逆にそれをふんだんに使っていた。今よりも濃くて甘い味だった」という。豪さんが継いでから作り始めた「海鮮焼きそば」(1,300円)やランチ限定の「玉手箱」(1,150円)、「牛バラそば」(1,300円)は「幸華の歴史と今とを体現している」という。

 10年後に100周年を迎えるに当たり、早苗さんは「息子たちは別の仕事をしているので、継ぐ人がいない。それは熱海全体に言えること」と話す。豪さんは「厨房設備も古くなり、特注なので修理や取り替えをするにも費用が高くつく。5年前に胃がんになり、今は元気な体だが、やはり年を感じる。続けるのは大変なこと。それでも100周年は一つの目標として頑張りたい」と笑顔を見せる。

 営業時間は11時30分~15時、17時30分~20時。火曜定休。

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