熱海ブルーノ・タウト連盟(熱海市梅園町)が10月1日から4日間、「旧日向別邸再公開記念展 ブルーノ・タウトの軌跡」を起雲閣・音楽サロン(昭和町)で開催する。
国内に現存する唯一のタウトが設計した建築物「旧日向家熱海別邸」(春日町)は来年4月の再公開に向けて改修工事を行っており、9月の完成を予定している。同連盟の矢崎英夫代表は「約3年の改修期間を経て完成する予定。今年4月に開講したタウト塾の折り返しにも当たる。多くの人に見てもらうことで盛り上げていきたい」と話す。
タウト塾とは、毎月オンライン講座や特別講座を開いてタウトの功績や旧日向家熱海別邸の魅力などを発信してきた講座。別邸に隣接する国登録有形文化財「東山荘」での講義・見学会は毎回満員となっていたが、7月、8月の講座は伊豆山土石流災害の発生と緊急事態宣言の発出を受けて延期としていた。
10月の記念展では、延期の回に予定していたお茶の水女子大学名誉教授でタウトの著書でも知られる田中辰明さんの講演も予定しているという。別邸の写真パネルや文献の展示、映写会も行う。
矢崎さんは「活動を進めてきた中で、ドイツ大使館に始まり、日独協会やぐんま日独協会などとの関係が強くなった。今後はタウト関連の横のつながりを強化して、ドイツやトルコとの国際交流にもつなげていきたい」と話す。ドイツとの国際交流では、9月19日にタウト生誕140年記念の展示会がドイツ・ダーレビッツで始まり、同連盟の会員・池島豊さんが描いたタウトの肖像画が展示される。矢崎さんは「来年4月の別邸の再公開に向けて、国内外の協力を集めていければ」と期待を込める。
記念展は10月4日まで。入場無料。