熱海の環境まちづくり会社「未来創造部」(熱海市渚町)が現在、ブルーカーボンの取り組みを進めるプロジェクトに取り組んでいる。
2020年9月、環境保護活動や書籍の執筆に携わる枝廣淳子社長と熱海を拠点に海洋保全活動に取り組む光村智弘副社長が設立した同社。「未来の子どもたちにきれいで楽しい地球を残す」ことを合言葉に環境問題に向き合う。
海洋生態系が吸収・固定する二酸化炭素を増やすことで地球の温暖化対策につなげる「ブルーカーボン」の取り組みが世界に広がっている中で、同社は昨年、熱海を拠点にブルーカーボンプロジェクトを始動させた。6月に土肥からコアマモを、10月には下田からカジメを、それぞれ熱海の海域に移植。藻場の再生に使うことで、漁業支援や新たな観光資源づくり、マイクロプラスチック除去などに生かす狙いがあるという。
11月には「ブルーカーボンネットワーク」を設立。全国でブルーカーボン関連の事業や活動を行う企業・団体・行政をつなぐ会員制度を作り、情報共有する機会を提供していく。設立について、枝廣さんは「藻場の再生・ブルーカーボンの取り組みは、海の豊かさを取り戻すことと温暖化対策を同時に実現できる一石二鳥の取り組み。さらに、漁業の支援、観光資源としての地元経済の活性化、環境教育にもつなげる『熱海モデル』を進めていきたい」と話す。
現在、クラウドファンディングで支援を呼び掛けている。目標金額は500万円。支援できる金額は500円から。金額に応じて、枝廣さんの著書、熱海伊豆山沖で取れたイセエビ、ブルーカーボン活動の船上体験などを提供する。集めた支援金は、ホームページの構築費、セミナー運営費、環境教育活動費などに充てる。
枝廣さんは「熱海での取り組みを進めつつ、全国にも世界にも情報を発信していきたい。皆さんの力を貸してもらえれば」と呼び掛ける。
支援金は「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で受け付ける。12月15日まで。