熱海特産ダイダイの栽培・加工を手掛けるシトライカンパニー(熱海市西熱海)が12月24日、熱海中学校の終業式で3年生にダイダイを贈呈した。
ダイダイの贈呈は昨年に続き2回目。熱海の特産品にもかかわらずなじみがないダイダイを生徒らに知ってもらおうと企画した。ダイダイは完熟した後も数年は木に残り、何代もの果実が同時になることから「代々」が名前の由来とされている。何年も木から「落ちない」ことから、高校受験などを控える3年生に縁起物として手渡された。
ダイダイ農家でシトライカンパニー代表の岡野谷伸一郎さんと荻原穂花さんは、メッセージを添えた特製の袋にダイダイを1個1個入れて準備した。終業式は感染症対策で、生徒らは各教室に分かれたまま校内放送を使って行われた。式の後、岡野谷さんが全校生徒に向けて校内放送で激励の言葉を送った。岡野谷さんは「ダイダイは農家の高齢化や後継者不足の影響で、実が成っても放置されたり、規格外として捨てられたりしている。熱海の特産物はダイダイだと皆さんが胸を張って言ってくれるようなものにしていきたい」と話し、「ダイダイは風雨に強い果実。皆さんもダイダイのように力強く育ってほしい」と呼び掛けた。
生徒代表でダイダイを受け取った大木琥太郎さんは「中学生のうちから農業について触れる機会をもらいありがたい気持ち。政治家を目指していることもあり、自給率の低下などは避けられない問題。主体的に勉強に取り組んでいきたい」と意欲を見せた。
岡野谷さんは今後も地域の子どもたちにダイダイや農業への関心を持ってもらうための活動を継続していくという。