熱海特産ダイダイの栽培・加工を手掛けるシトライカンパニー(熱海市西熱海1)がこのほど、ダイダイを使ったオリジナルブレンドアロマを作るサービスを始めた。
熱海・多賀地区でダイダイを栽培する同事業所の岡野谷伸一郎さんは、加工で廃棄してきたダイダイの皮に着目。自前の蒸留設備を用いてダイダイの皮を原料に精油を製造し、「だいだい精油」という商品名で市内の宿泊施設や小売店に卸してきたが設備の増強で、より品質の高い精油を抽出できるようにした。
調香には、アロマコーディネーターでエステ店「harenoyu(ハレノユ)」(春日町)を営む磯部日香さんが協力。宿泊施設や店舗が求めるオリジナルブレンドでアロマを作る。ダイダイ精油をベースにしながらいくつかの精油を調合することで、施設に合った香りを提供できるという。施設は、施設内の空間演出での利用や土産物として販売を行うことができる。
岡野谷さんは「ダイダイで熱海らしさを感じてもらいながら、その施設でしか感じることができない香りで過ごしてもらいたい」と話す。ブレンドアロマの導入施設は、ホテルや旅館、リゾートマンション、エステ店、土産物店などを見込み、すでに導入を検討している施設もあるという。
果実が丸ごと入ったダイダイサワーやダイダイ酢を使ったピクルスなど正月のお飾りにしか使われてこなかったダイダイの新しい形での商品化に取り組んできた岡野谷さんは「熱海の宝とも言われるダイダイの価値を高め、魅力を発信していきたい」と意気込む。
調香料は5万5,000円。1本2,200円から。