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熱海のニューアカオ館で滞在アーティストの作品展示 最終5回目、継続に期待も

日本画家・丹羽優太さんの作品

日本画家・丹羽優太さんの作品

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 アーティストがホテルに滞在しながら制作した作品を見学できる「ACAO OPEN RESIDENCE #5」が1月22日、熱海の「ACAO SPA & RESORT(旧ホテルニューアカオ)」(熱海市熱海)で始まった。

旧ニューアカオ館内の作品も見学できる

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 熱海の魅力をアートで再発見するプロジェクト「PROJECT ATAMI」の一環。アーティストが同館に1、2カ月間滞在し、制作した作品を展示して見学者と交流を図る。初開催に当たる第1タームは昨年5月。今回は第5タームで最終回。昨年末に開催した関連イベントには1万人を超える入場者があった。

 今回は、4人のアーティストが参加。日本画家の丹羽優太さんは、墨と彩墨で災害と関わりが強いとされるオオサンショウウオやナマズなどの水生生物をモチーフに作品を制作してきた。今回の作品は、同館の倉庫に眠っていた金屏風にヤマタノオロチを描いた。同館に展示されている日本画家・森素光の作品にオマージュした「森素光・丹羽優太 二人展」も行う。丹羽さんは「土石流災害が発生し、アカオが災害と共存しながら前に進んでいくことを表現したかった」と話す。

 美術家の石毛健太さんは、メインダイニング錦に灯台を模したプロジェクターが旋回して映像を描写する作品を展示する。熱海沖には実際に沈没船があることから、小話「灯台と軍艦の都市伝説」を表現した。館内客室でも「水平線の降下 Horizont」と題し、ピンホールカメラの原理を巧みに生かした映像作品を展示する。石毛さんは「ダイニングが半島のような形をして海に面しており、灯台を表現するには適していた」と話す。

 BIENさんは、館内の倉庫と客室を使い「光に依(よ)るところ」と題した作品を披露する。同館の備品が雑多に積まれた暗い倉庫の中で、光と音の表現を作り出す。波の音が聞こえる客室では、自然の光がビーチで拾い集めたという石や流木を照らす。BIENさんは同館に滞在中、太陽や月の光、波の音、岩壁に立つホテルから自然と人工物が張り合うさまを感じたといい、「この場所で感じた光をもとにした作品に表した」と話す。

 Keeenue(キーニュ)さんは、普段はペインティング作品を中心に制作するが、今回は色とりどりのビーズを使ったのれんを仕上げ、館内のプール施設に展示した。滞在した同館の客室からカーテンを閉めず海や空を見ながら過ごしたというキーニュさんは「カーテンを開け閉めするように、普段の生活の中でも心をオープンにすることもあればクローズすることもある。カーテンやのれんは、自分と相手の空間を区切るものでもあり、つなげるものでもある」と話し、自分を再構築するあり方をのれんに重ねたという。

 第1タームから第4タームに参加したアーティストらの作品も一部を館内に展示。アーティスト4人の作品と併せ、11月で閉館したニューアカオ館内を見学しながら楽しむことができる。第4タームに参加した吉田山さんの文字をかき混ぜた作品などを展示。来館者は写真を撮りながら興味深く眺めていた。同館によると、来年度以降も開催を計画しているという。

 開館時間は11時~17時。入場料は1,000円(中学生以下は無料)。2月20日までの土曜・日曜・祝日(2月6日除く)のみ開催。

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