熱海の「鮨(すし)加喜田」と「創作和食REN(れん)」(以上、熱海市銀座町)が間もなくオープン3カ月を迎える。
両店の店主を務めるのは熱海育ちの柿田武史さん。料理が得意だった父に憧れ高校卒業後、湯河原や熱海の旅館などで10年間の修業を積んだ。28歳で独立し、約20年前に「鮨割烹(かっぽう)廉」を開業。同店が軌道に乗リ始めた15年前に「串焼旬菜楽」を「廉」の3軒隣にオープンした。
柿田さんは昨年12月15日、「鮨割烹廉」から「創作和食REN」に、「串焼旬菜楽」から「鮨加喜田」に、それぞれリニューアルしてオープン。リニューアルの経緯について、柿田さんは「コロナ禍でも連日お客さまに来店してもらい、常連のお客さまにゆっくり食事を楽しんでもらえる余裕がなくなってしまった。熱海には気軽に行ける日本料理店が少なく、お客さまからの要望もあった。落ち着いて食事できる店を作りたかった」と話す。
「鮨加喜田」のオープンに当たり、内装のデザインを串焼き店から大きく変えた。1階は、バーのような落ち着いた雰囲気でゆっくり食事を楽しんでもらおうと、壁などの基調を黒に変え明るい白のカウンターテーブルをしつらえた。2階は5人以上で借り切ることができる個室にし、「熱海らしい花魁(おいらん)のイメージ」という黄金と赤のデザインを施した。
メニューは、地元の漁師からじかに仕入れるという地魚を使った料理を提供。「特上寿司」(3,000円)、「地魚づくし握り8貫」(2,000円)、「お任せお造り(1、2人前)」(2,500円)のほか、「ずわい蟹(がに)のコキール」(1,200円)、「金目鯛(だい)の茶碗蒸し餡仕立て」(1,000円)、「静岡そだち牛フィレステーキ」(2,900円)なども用意する。ドリンクは、地酒や熱海産のダイダイを使った「橙サワー」(800円)をそろえる。
「創作和食REN」のオープンに当たっては、柿田さんの修業時代の先輩で料理人の三浦賢さんを新たに迎えた。柿田さんは「朝取れの新鮮な魚や静岡の食材など地物を使ったメニューをそろえ、気軽に通えるしっかりした和食を提供する」と話す。ランチメニューは、一品料理のほか、「海宝丼」(1,300円)、「贅沢(ぜいたく)丼」(2,300円)などの海鮮丼を中心に提供。ディナーメニューは、白木の八寸に乗せて提供する「季節の前菜八寸」(2,500円)を売りに、地物にこだわった料理をそろえる。
リニューアルの反響について、柿田さんは「常連のお客さまから落ち着いて食事ができるとの声をもらっている。『鮨加喜田』2階の内装に驚くお客さまも多い」と話す。
柿田さんは「熱海に来たお客さまに熱海で取れる新鮮な魚を知ってもらいたい。都内の店に負けない高いクオリティの店」と胸を張る。地域の飲食組合などの重役も務める柿田さんは「熱海の飲食業界を盛り上げるために、飲食店同士が良い情報を共有しながら、ライバル意識を持って切磋琢磨(せっさたくま)していきたい。その意識を各店が持っていれば、熱海の飲食業界全体の底上げにつながるはず」と意気込む。
「鮨加喜田」の営業時間は、11時~14時、18時~21時30分。「創作和食REN」の営業時間は、11時~14時30分、18時~22時30分。両店とも木曜定休。静岡県にまん延防止等重点措置が適用されている間は両店とも21時まで(アルコール類は20時まで)。