熱海のMOA美術館(熱海市桃山町)で4月1日、開館40周年記念特別展「大蒔絵(まきえ)展 漆と金の千年物語」が始まった。
MOA美術館、三井記念美術館、徳川美術館の3館が共同で開催する展覧会。平安時代から現代の作品まで、3館で国宝と重要文化財合わせて70点以上を含む名品約200点を展示する。同館では、国宝16点、重要文化財32点を含む約120点を展覧する。蒔絵を中心に、関連する絵画や書なども並べる。
蒔絵は、漆で絵を描き、金粉や銀粉を巻き付けて文様を表現する。国宝「初音蒔絵婚礼調度」は、3代将軍徳川家光の長女・千代姫が尾張徳川家2代光友に嫁いだ婚礼調度。関連して展示する国宝「源氏物語絵巻 柏木一」と合わせて徳川美術館の所蔵品で、館外に展示することはほとんどないという。
北条政子が三嶋大社に奉納したと伝えられている国宝「梅蒔絵手箱」、空海が唐から持ち帰った袈裟を納めたとされる国宝「海賦蒔絵袈裟箱」など神社や仏閣に受け継がれる蒔絵、鎌倉時代の代表作とされる国宝「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」など貴重な作品を展示する。
白山松哉の「蒔絵八角菓子器」など近代の作品、人間国宝・室瀬和美の「蒔絵螺鈿丸筥・秋奏」など現代の蒔絵作品も展覧する。
MOA美術館の内田篤呉館長は「平安時代から現代までの代表的な蒔絵作品と貴重な絵画や書も展示する。展示制限があり、1週間程しか展示しない作品も。日本の美術史をたどってもらえれば」と話す。
開館時間は9時30分~16時30分。木曜休館(5月5日は開館)。観覧料は一般1,600円ほか。5月8日まで。