熱海・伊豆山に国際的なコーヒー鑑定士・Qグレーダーが抽出するコーヒーを提供するカフェ「ROLLING ROASTERS(ローリング・ロースターズ)」(熱海市伊豆山)がオープンして2カ月を迎える。
Qグレーダーとは、SCA(スペシャルティコーヒー協会)が定めた基準でコーヒーを評価できるとCQI(Coffee Quality Institute)が認定した国際資格。アラビカ種コーヒー豆の「CQI認定Qアラビカグレーダー」、ロブスタ種コーヒー豆の「CQI認定Qロブスタグレーダー」の2種類がある。Qグレーダーが正式な手順で評価したコーヒーをQ認証コーヒーとして認証できる。国内では唯一、伊豆山にあるJCE(Japan Coffee Exchange)熱海ラボがQコーヒー品質鑑定・認定証を発行している。
同店は、アラビカ種とロブスタ種のQグレーダーであるマネジャー・天野恵子さんが3月5日、JCE熱海ラボの隣にオープン。天野さんは昨年4月、JCEで両Qグレーダーの資格を取得していた。資格取得の難易度は非常に高いとされ、国内でQアラビカグレーダーは約130人、Qロブスタグレーダーは約20人しかいないという。
以前オーストラリアに住んでいたときにQグレーダーの存在を知ったという天野さんは「オーストラリアで初めて飲んだコーヒーがとてもおいしくてバリスタになった。帰国後もバリスタを続けながら資格を取得した」と話す。現在は、カフェの営業日に合わせて、住んでいる名古屋から店に通っている。
メニューはコーヒーのみで、QアラビカコーヒーとQロブスタコーヒーを数種類ずつ置き、ラインアップは定期的に変えている。カウンターに鑑定書とコーヒー豆を並べて、客は天野さんの説明を受け、豆の香りを嗅ぎながら飲みたいコーヒーを選ぶ。鑑定書の鑑定スコアによってコーヒーの価格が異なり、500円~1,310円で提供する。天野さんは「世界のロブスタコーヒーの2%しか流通がないといわれる希少価値の高いファインロブスタを飲むこともできる。コーヒー好きの人にも新しいコーヒー体験になるのでは」と話す。
天然木を使ったロッジ風の店内は、テーブル席やカウンター席を設けるほか、相模灘を望むテラス席も備える。テイクアウトはマイボトルの持参客に対応。100グラム単位でコーヒー豆も販売する。
オープンから2カ月がたち、全国からコーヒー好きの人や周辺の住民が来店しているという。アラビカ種とロブスタ種の両Qグレーダー資格を持つスタッフだけが店に立つことができるため、現在は天野さんが店に立つ隔週の土曜・日曜のみ営業している。天野さんは「まだ日本ではQ認証コーヒーの知名度は高くない。鑑定書がつくことで、豆の作り手の思いもお客さまにしっかりと伝えることができる。店を通して、Q認証コーヒーのことや世界のコーヒー豆のことを広めていきたい」と意欲を見せる。
営業時間は6時~9時、14時~17時。隔週土曜・日曜営業(5月3日~5日は営業)。