熱海の街を散策しながら多彩なアート作品を鑑賞してもらうイベント「ATAMI ART EXPO(アタミ アートエキスポ) 2022」が9月30日、始まった。
今回で12回目を迎える同イベント。メイン会場の起雲閣(熱海市昭和町)のほか、市内10カ所のサテライト会場で熱海にゆかりのあるアーティストらの絵画や彫刻、写真などの作品の展示やワークショップを行う。
今回は、サテライト会場をJR熱海駅ビル「ラスカ熱海」(田原本町)に初めて設けた。9人の作家が展示販売やワークショップを行う。
1階には、熱海出身のアーティストで同イベント初出展の富岡美紀さんが伊豆の近海に生息するタチウオやサワラなどを絵の具で描いた作品をフォトスポットとして展示。作品は10月2日までの3日間にわたり、観光案内所前のウインドーにライブペイントで制作した。富岡さんは「ラスカ熱海は、熱海の起点で最初に立ち寄る場所。地元の人や観光客、アーティストを巻きこんでイベントが盛り上がるように願いを込めた」と話す。
2階の展示スペースでは、日本動漫協会理事長でアニメーション作家・月岡貞夫さんの原画展を開催。月岡さんは、NHK「みんなのうた」の「北風小僧の寒太郎」を手がけたことで知られる。美人画や今年のNHK大河ドラマを摸した肖像画などの作品合わせて150点ほどを展示する。月岡さんは「コロナの影響などで中止となってしまった展示会や本の出版があったため、作品を展示できない時期もあったが展示できることになりうれしい。肖像画はあまり誇張せず、人物のチャームポイントを生かすように意識している」と話す。
同イベント事務局の豊田祐次さんは「当イベントは今回で12回目。富岡さんのような若いアーティストも加わった。アーティストの輪がさらに広がれば。熱海にアートで力を与えたい」と意気込む。開催に合わせて立ち上げたクラウドファンディングについては、「コロナ禍や土石流などが熱海を襲ったことを受け、アートで熱海を支援したい。参加型のリターンも用意し、アーティストを身近に感じてもらう工夫もしているので支援してほしい」と話す。
11月30日まで。ラスカ熱海での展示は10月31日まで。クラウドファンディングの締め切りは10月10日。