熱海の「ホテル ミクラス」(熱海市東海岸町)が10月26日、熱海芸妓(げいぎ)置屋連合組合と提携した「華の舞鑑賞付き宿泊プラン」の販売を始めた。
同組合は、1998(平成10)年から「熱海芸妓見番」(中央町)で「湯めまちをどり 華の舞」の公演を続けている。コロナ禍で公演を一時休止したほか、観光客の減少により芸妓衆のお座敷も減り、この数年は芸妓を取り巻く厳しい環境が続いたという。
企画の背景について、ホテルミクラスの山野辺文子さんは「芸妓の公式キャラクター・まめっこのグッズを当館でも販売してきた。公演の再開に合わせて、熱海の芸妓文化存続のために、さらに当館でできることをと考えた」と話す。
今回のプランは、同館の宿泊に「華の舞」の鑑賞や舞台上での芸妓衆との記念撮影、オリジナル手ぬぐいを付けた。若い観光客にも周りに気兼ねなく鑑賞してもらいたいと、見番2階の最前列桟敷席を用意。「最大でも8人限定の特別席でゆっくり鑑賞してもらえる」と山野辺さんは話す。
同館を運営するオリックスグループは、地域の企業や行政と連携して新たな観光資源の発掘をする「地域共創プロジェクト」を進めている。今回のプランもその一つに位置付ける。山野辺さんは「若い世代や海外からの観光客などにも利用してもらい、熱海の伝統文化を知ってもらう機会になれば」と期待を込める。
対象期間は11月4日~来年3月31日まで(金曜・土曜の宿泊のみ)。料金は1人1泊=2万2,200円~(3人1室利用時)。