熱海のACAO SPA & RESORT(熱海市上多賀)が12月16日、富裕層向けの宿泊施設や若手アーティストの創作空間などを整備する計画を発表した。
同社は、観光庭園「ACAO FOREST(アカオフォレスト)」や「ACAO BEACH(アカオビーチ)」を含む65万平方メートルの広大な所有地を生かした統合型リゾート事業や不動産事業を展開する。これまで、熱海の魅力をアートで再発見する取り組み「PROJECT ATAMI」を運営し、若手アーティストの制作活動を支援してきた。市内各所にアーティストの作品を展示するイベント「ATAMI ART GRANT」では、昨年の第1回は延べ5万人、今年の第2回は延べ18万人を動員したという。
今回の発表で同社は、ウェブサイトで「ACAO ATAMI CLUB」と題した未来マップを公開。アカオフォレスト周辺を整備し、2027年までに富裕層向けの宿泊施設などを開業する計画を公開した。同社は11月に「旧ホテルニューアカオ」と「旧ロイヤルウイング」を売却してホテル事業から一時的に撤退すると発表しており、今後5年間で宿泊事業への再参入を準備することになる。
「ACAO ATAMI CLUB」は、アートや文化を愛する1万1000人のパトロンが集い、熱海に住むアーティストとの交流や支援を図る取り組み。アカオフォレストの海側には隈研吾さんがデザインする「BEACH VILLA VILLAGE(ビーチ・ヴィラ・ビレッジ)」を、山側には「THE JACARANDA VILLAGE(ザ・ジャカランダ・ビレッジ)」と名付ける宿泊施設を、それぞれ新たに建設する。アカオフォレスト入り口近くには、オープンスタイルのオフィス「NOT A GALLERY(ノット・ア・ギャラリー)」を開設し、アート作品を飾るオフィス兼ギャラリーを構える。5年間で約160億円を投じる大規模な開発計画としている。
若手アーティストとアーティストを支援する国内外の富裕層が集う環境を整えることで、熱海の観光資源を生かした持続可能な文化都市を目指す。