かつお節製造業「丸藤」(熱海市網代)が今春、本社1階に飲食や物販の新店舗「BUSHI MESHI(ブシメシ)」をオープンする。
1926(昭和元)年にかつお節製造を手がける「藤信商店」として創業した同社。現在はかつお節のほか、削り節やだし商品を伊豆や関東などの宿泊施設や飲食店向けに販売している。新型コロナウイルス感染拡大を契機に個人向け販売にも力を入れ、同社1階の直営鮮魚店では網代港で水揚げされた魚を販売している。
新店舗では、同社のかつお節や地元の魚を使った料理を提供するほか、乾物などの土産物も販売する予定。1月14日は、同社の社員らが会社周辺の住宅地でリヤカーを引いて回り、店舗で使う食器の寄付を呼びかけた。20軒ほどが協力し、使わなくなった食器や引き出物など約2800点が集まった。現在は改装工事に着手し、開業の準備を進めている。
藤田昌弘社長は「店がオープンした時、来店してもらうきっかけや話題づくりになれば」と期待を寄せる。「高齢者が多い地域の中にあって、若い従業員の多い当社は頼りにされる存在。新店を拠点に人が集まりコミュニティーに発展できたら」とも。