熱海の文化施設「起雲閣」(熱海市昭和町)周辺を盛り上げようと3月2日、地域の事業所が「起雲閣通り商店街」を立ち上げた。
新たに作成した起雲閣通り周辺の「街歩きマップ」(関連画像3枚)
熱海市指定有形文化財に指定される「起雲閣」には年間の入館者数が12万人あり、見学や催しを目当てに観光客や住民が利用する。一方で、熱海商工会議所によると、起雲閣周辺ににぎわいをもたらしていた長崎屋が1990年代に撤退して以降、人通りが減ったことで廃業が相次ぎ、空き店舗が目立つエリアになったという。
熱海全体で新規出店が目立つようになったここ数年は、起雲閣周辺にも卵焼き専門店、唐揚げ店、パンケーキ店などが新たに開業。2020年には近くに「熱海山口美術館」(渚町)も開業した。
商店街の会長には起雲閣近くで長年にわたり写真館「スタジオしゃらく」を経営する鈴木信太郎さんが就任。昨年9月から準備を始め、周辺に店を構える17事業所と共に「起雲閣通り商店街」を発足させた。鈴木さんは「コンセプトは『おしゃれな大人の起雲閣通り』。文化、芸術、自然を発信し、熱海駅前商店街、熱海銀座商店街と一緒に熱海全体を活気付けたい」と話す。
新たに作成した起雲閣通り周辺の「街歩きマップ」には、参加する17店の情報や特典を掲載。イラスト入りの親しみやすいデザインを工夫したという地図は、市内の宿泊施設や熱海駅などで配る。
鈴木さんは「ブームに終わらず継続的に活動していきたい。地元の人と観光客が触れ合える場所になれば。まだ商店街には1階が空き店舗になっているところもあるので、新しい店の入居にもつながっていけば」と期待を寄せる。