2021年11月に営業を終了した宿泊施設「ホテルニューアカオ」(熱海市熱海)のオーシャン・ウイングが7月1日に営業を再開し、12日、記念式典が開かれた。経営は「マイステイズ・ホテル・マネジメント」(東京都港区)。
昨年12月に「ACAO SPA & RESORT」(上多賀)から施設の運営を引き継いだ同社。同施設のうち、ホライゾン・ウイングは12月から同社が営業を始めていた。今回、営業を再開したオーシャン・ウイングの老朽化していた客室やレストランなどの一部は、休館中にリニューアルした。客室数は250室で、和室と和洋室が中心。全面リニューアルした洋室も備える。客室面積が203平方メートルになるスイートルームも用意した。
オーシャン・ウイング内のレストラン「メインダイニング錦」も同時に営業を再開した。朝食と夕食は宿泊者限定で地元の食材を中心にそろえるビュッフェを提供。ランチタイムは宿泊者以外も受け入れる。同館1階には昭和をテーマにしたゲームセンターや、約50種類の缶詰をそろえた缶詰バーもオープンする。
露天風呂「波音」や夏季限定で海をプールに仕立てた「オーシャンプール」も開設。目の前の海で「SUP・カヤックツアー」「フィッシング体験」などのアクティビティーも提供する。一年中使える室内温泉プールは宿泊者限定で開放する。
式典で、同社会長の山本俊祐さんは「同じ建物で50年間営業するホテルは日本でも数少ない。各地に古くからあるクラシックホテルはその町に溶けこみながら際立つ個性を持っている。ニューアカオのエッセンスはロビーが17階にあって絶景に圧倒されるところ。リニューアルは、設備など客の目に触れない場所で重点的に行った。以前の良さを残しながら復元しつつ、今後は今のニーズにマッチした改善を図っていきたい」と話す。
開業への思いをホテルニューアカオ総支配人の土橋裕樹さんは「昭和98年7月、熱海のシンボルよみがえるというキーワードの下に準備を進めた。開業に当たり、以前働いていたスタッフが22人も応募してくれた。わずかな準備期間で再開できたのは、昔からのスタッフやお客さまに支えられているから。お客さまを『おかえりなさい』と言って迎えられる環境が整った」と話す。