熱海~初島間を結ぶ定期船「イルドバカンスプレミア号」で「海の日」の7月17日、「小学生一日船長体験」が行われた。主催は同船を運航する富士急マリンリゾート。
毎年「海の日」恒例で行う同体験では、公募で選ばれた小学生3人が船長として熱海港と初島港を結ぶ同船に乗船する。特製ユニホームを着て熱海港で任命式を受けた3人は、船内で乗客を出迎え、操舵(そうだ)室に入って船内放送を行うなど、船長としての業務を体験した。
当日参加した小学3年の木皮彩稀さんは「おじいちゃんが鹿児島の離島に住んでいて、台風が来るとスーパーから物がなくなってしまう。船は人を運ぶだけではなく、物を運ぶことができる。船の役割をもっと知りたいと思った。乗り物が好きで、乗り物に関わる仕事に興味がある」と話す。千葉県から参加した小学3年の高橋智明さんは、家族と熱海を旅行する計画を立てていた時にこのイベントを知ったという。船長体験について、「初島に行くのも船に乗るのも初めて。元気にお客さまをお出迎えする船長になりたい」と話す。熱海市在住の小学3年・村山舞音さんは「小さな船には乗ったことがあるが、初島に行くのも大きな船に乗るのも初めてなので楽しみ」と笑顔を見せた。
当日は、日本旅客船協会が主催する「海の日小学生運賃無料キャンペーン」に合わせ、同航路も小学生の往復乗船券を無料にした。連休最終日ということもあり、多くの家族連れでにぎわった。
同社の堀内明広社長は、毎年行っている同取り組みについて、「夏休みが始まるこのタイミングに船の旅を楽しむきっかけとなれば。昨今、船の仕事に従事する人が減っている。今回の取り組みで船の良さを味わってもらって、将来、船長を目指してほしい。抽選で女児2人が選ばれたが、船の仕事においても女性の活躍を期待している」と話す。